ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

新装開店!CRバンドマン物語 〜ミュージシャンとギャンブル〜

『ナルシズムと現実のギャップ』

 

前回、ミュージシャンは日頃から、脳内麻薬『ドーパミン』の分泌量が過剰なためヤク中状態に近い、と説明しました。今回は、本来ならば、創作活動という快楽にハマり続けるべきものが、なぜギャンブルにハマってしまうのか?ということについてお話しましょう。

 

まず、音楽のみならず、どんな創作活動であれ、取っ掛かりは楽しいことだらけです。なぜなら、やった分だけすぐにレベルアップするから。取り組んだことがすぐに達成できる=即座にドーパミンが出る。最初はこのメカニズムで、何をやっても楽しめるんですね。

 

だがしかし、当然の如く、やればやるほど、上達するほどに達成の難易度は増していきます。それまで順調に分泌されていたドーパミンが、事を進めるにつれ徐々に出にくくなってきます。

 

 

 

ミュージシャンとして成功体験しようものなら、その次は、それ以上の作品を作り、それ以上の名声を得られないと満足できない、むしろ挫折感すら味わうことでしょう。創作活動のハードルが上がってゆく様は、まさに“リアル・ドラゴンクエスト”

 

人前で演奏するミュージシャンは、それなりに相当量の練習をしています。 それでも、どうしても芽が出ない、人を感動させるに至らない人も沢山居るんです。努力した誰もがプロ野球選手になれるはずがないのと同じように、一定のラインを越すと、努力では埋められない壁、というものが出てくるんですよ!

 

このように、多くの人にとって、上を目指す創作活動というのは、やればやるほど達成感が遠のいてしまう仕組みなので、ドーパミンが分泌されづらくなってしまうのです。

 

ちなみに、「私はずっと楽しいよ〜」って人は、軽く“才能あるアピール”になっておりますので、発言の場所に気を付けましょう(YoAsai著『出来る大人のマイナーマナー:職人編』より抜粋)。

 

くわえて、「それでもやり続けるんだよ!その先に喜びがあるんだ!」って人は、ストイック・ナルシズム全開になっておりますので、松○修造さん以外は発言しないようにしましょう(YoAsai著『出来る大人のマイナーマナー:アスリート編』より抜粋)。

 

 

 

まあ、努力を苦と思わないのも才能の一種ですからね。

 

とまあ、最初はあんなに楽しかった音楽活動が、いつからこんなにモヤモヤしたものになってしまったのか? もっと新鮮な感覚で、手にすることすべてが輝いて見えたはず…。

 

そんな曇った心模様の目の前に、『取り組んだことがすぐに達成できる=ドーパミンがたやすく分泌できる』ものが現れてしまったら、どうなることでしょう?そんな便利なものあるの?と、思われるかも知れませんが、あるんですよコレが…。そう。みなさん、もうおわかり…

 

THE・ギャンブルです!

 

お金を入れて液晶を見てるだけで、お金が増えたり減ったり減ったり…、好きなお馬さんを指名してお金を預けるだけで、お金が増えたり減ったり減ったり…、好きなボート…、以下相当量同文。

 

では、この安易なスリルが、如何に危険かということを、ワタクシの実体験を元に説明いたしましょう!

 

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堕ちていくワタクシ…

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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