ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

がん告知から余命宣告 亮弦-Ryogen-

第1回『がん発覚、ステージ4』

 

「健康3部作」も今回でいよいよ最終章 。この章では更に一人のゲストをお迎えします。ワタクシ、YoAsaiのバンド(digdub)のメンバーでもあり、ソロギタリストとしても活躍する亮弦-Ryogen-。難病が発覚した彼の現状を踏まえて「医療とは、健康とは」を考えてみましょう。

 


『本コラム出演ありがとう。いつもなら音楽談義になるんだけど、今回は亮弦の身体の現状を聞かせて欲しい』

 

 

『定期的に健康診断は受けていたのですが、日頃の酒量がたたったのか、2015年10月頃、肝炎で入院しました。その時、リンパ節が異様に腫れている事に気付き、外科手術でシコリをとって検査したんです。そこで初めて「悪性リンパ腫」という血液のがんが発覚しました』

 


『入院当初は軽いノリで捉えてたけど、がんと知った時はショックだった』

 

 

発覚時すでにステージ4でしたしね。骨髄、全臓器に浸潤(転移の事)末期中の末期状態。しかも余命は2週間

 

 


『2週間だったの!? それは俺も初めて聞いたよ!』

 

 

『自分でも全く実感がなくて驚きもしなかったんですよ。自分ががんで死ぬなんて理解ができないし、有り得ないと思ってました。ただそれは今でも強く思います。現にこうやって生きてますから』

 


『がんとわかってから、生活に変化は?』

 

 

『がんとわかった瞬間からはやはり調べに調べます。本を読み漁り、ネットサーフィンはがん関連のサイト。数多くの医学論をダウンロードしました。調べれば調べる程に、SNSなどによく投稿される「がんは○○で治る」って記事には異様に反応する様になりました』

 


『がん治療に関しては色々な情報が流れてるよね』

 

 

『桃が良いらしいとか、ニンニクやブロッコリーは抗がん作用があるとか、他にも糖質制限、大麻などなど。情報が錯綜していて、一体何が正しいのかわからない。しかしこちとら余命2週間。日に日に全身の痛みは増すし。夜は全く寝られずで、毎夜の救急外来で鎮痛麻薬を点滴するような状態でした』

 


『余命2週間の人が桃やニンニクで治るとは思えない……』

 

 

『例えば「ニンニクの抗がん作用は食品のなかでずば抜けている」と書いてある本もあります。抗がん剤のそれを100とすると、ニンニクには80くらいの威力があるとか』

 


『マジかよ!ニンニク半端ねえな(笑)』

 

 

『んで、ニンニク消費量日本一の青森県を調べたら、まさかのがん死亡率は11年連続で1位(笑)!』

 

 


『その本アウトだろ! がん患者ならびに青森県民、いやもうニンニクに謝れ(笑)!』

 

 

『全く(笑)。こういう状況になってから、今さら食事を変えたり大麻を手に入れた所でとても助かるとは思えませんでした』

 

 


『食事ってのは、あくまで健常者の体調管理的な立ち位置だよね。重病患者向けではない』

 

 

『まさしく。そもそも、がんというのは早期発見ならまだしも、恐らく、ほとんどの人が発見時にはかなり進行している状態なんです。早期発見できるのは奇跡に近い。何かすぐに手を打たなければ即あの世行き。知った時には考える時間も、何かを試す時間も残されていないのが現実』

 


『発症した人にしかわからないジレンマが生まれる時だと思う。それでも、希望の光りがあってほしい』

 


『そこで唯一の助け舟というのもあるんです』

 

 

※本コラムは2017年8月の取材をもとに執筆しています。

 

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第2回 がん治療の助け舟

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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