ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

実録!ヘルニア手術入院

Round 6 「自立」〜やっと立ち上がる〜

【免責事項】このコンテンツは医療情報の提供を目的としたコンテンツではありません。記載の治療、医療情報などは、筆者個人の調査、記憶によるものに対する感想であり、医療的な正確性や正当性については保証、関与いたしませんのでご了承ください。

 

ヘルニア手術入院〜前回のコラム〜

 

〜自宅療養 5日目〜

 

寝冷えして目覚める。頭痛のまま四つん這いでトイレへ向かい、恒例のゴメンナサイ姿勢で用を足す。この日は朝からヘルニアも痛い。昨日の腕立て伏せが原因だろうか? そもそも、椎間板ヘルニアと低髄液圧症候群を患いながら腕立て伏せするって…。

 

しかし、首や背中の痛みは昨日よりも緩和していることに気付く。となれば、トイレの帰りは禁断の二足歩行にトライ! すると…

 

3秒ほどの二足歩行に成功。やったー!

 

その姿は、かの高名な『小豆洗い』に瓜二つだったとのこと。(同居人:杉並区のペネロペ・クルスさん談)

 

この時点で、ガラケーによるこの日記、四つん這い歩行、腕立て失せ、小豆洗い式二足歩行(数秒)、と、かなりの行動選択肢が増えた。こうなると、すぐさま新たなやりがい(暇つぶし)を思い付く。

 

それは…、床の雑巾がけ。

 

四つん這い生活がはじまってから「汚ねー床だなあ」と思っていたんですよ。今の状況なら、ひたすら床と擦り寄っていれば悪化しないわけだから、雑巾がけはうってつけなわけ!

 

さっそく雑巾がけスタート。みるみると輝きを増す床に快感を覚える。39才にもなって、雑巾がけごときで『小さな目標に取り組み続けることが心を潤してくれる』と学べました。

 

もちろん回復した際にはキレイさっぱり忘れてやります。(お約束)

 

新たな楽しみと回復の可能性を実感し、残った時間は、用法用量を守らない薬で寝落ちするのみ。僅かながらも希望を感じる日となった。

 

 

〜自宅療養 6日目〜

 

早朝、猫のブリさんがオモチャを持って起こしに来るが「病気だから遊べないんだよ〜」と説得。しかしこの時、思いのほか身体の痛みがないことに気付く。「ひょっとして、これは?」と思い、ゆっくり立ち上がってみると…

 

なんと、(ほぼ)真っ直ぐと立ち上がれた!

 

この急激な治癒力は如何に!? 低髄液圧症候群は治癒期間が不確定で2〜3週間で治るケースもあれば、数ヶ月〜数年かかるケースもザラにあるとか。

 

だが、今回ワタクシは6日目で突然立てました(まだ20秒ほどだけだが)。これは良い傾向だ。

 

だが、油断は禁物。

 

普段通りの生活が出来る気配なんて到底しないし、二週間の間は再発の恐れもアリ。ここで無茶して再発したらバカ丸出し。昔から、病み上がりに無茶してぶり返す出来の悪い子でした。お母さま怒りっぱなしです。

 

嬉しすぎる回復力ですが、真の目的はヘルニアの手術。まだまだゴールは遠い。早速病院に電話。

 

受付「今日はもう先生いません」

 

はい…、それではしょうがないので、用法用量を守らない薬を…以下略。

 

 

〜自宅療養 7日目〜

 

昨日の劇的な回復から一夜明け、恐る恐る立ち上がろうと試みる。この日も無事、痛みや目眩もなく起き上がれた。そしてゆっくりと歩くことも出来る。初日の苦悶が信じられないほどに回復。

 

早速病院へ連絡。混んでいるらしいので、ひと眠りしたあと午後から病院へ。

 

主治医によると、今回の低髄液圧症候群は、髄液漏れよりも「髄注射の際の髄圧低下が引き起こした脳の血管のズレ」が主だった原因とのこと。

 

あれだけの地獄を味わった今となっては『漏れでもズレでもどっちでもいいわ…』というヤサグレ祭り。とにかく症状は落ち着いてきたので、手術の段取りを組んでもある。が、心配していた予想の通り、手術によって低髄液圧症候群が再発することもありうるらしい…。

 

あの地獄をまた味わうとか超絶ありえん!

 

なんだってカート・コバーン願望を再発せにゃならんのだ!

 

いやいや上手くいくことを考えましょう。万が一再発した際には、鎮痛剤メガ盛り静脈注射で気絶してやりますわ!(経験を活かすとはまさにこのこと)

 

次回、いよいよヘルニアの手術へと進みます。

 

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Round7「轟音」

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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