ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

怪奇!セッションの謎 第2話

『フリーじゃないセッション恐怖体験談』

 

前回からの続き

 

「自由に演奏していいよ」というセッションでパワーメタルのようなプレイをしようものなら、さあ大変です。うまいミュージシャンの大半は、あからさまに「めんどくせえなコイツ」という空気を醸し出します。そして事務的に合わせてくれるか、あるいは全く合わせてくれないという事態になります。

 

そして、次のような現象が表れます。

 

ソロ回しが始まるのです!

 

いや、ソロ回し自体は全然いいんです。ソロを振ってくれる人に悪意はないし、各パートにスポットを提供してくれている親切な行為だと思います。でも、重要なのは、

 

ソロの拒否権がない!

 

ということです。ソロが好きな人はいいんです。でも、こちらとしては「今はソロをしたくないの! Do You Understand?」って瞬間もあるわけです。中にはソロが出来ない人が参加している事もあるのに、どうにもこうにもソロ回しがお約束になっているのです。

 

 

このように、好きなジャンルをやれば煙たがられ、ソロ回しを拒否すると不穏な空気が流れる、という現場がほとんどなのです。『自由に…』とは一体何だったのでしょうか?

 

さらには、フリーセッションと謳っているのに、現場に行くと数々の名曲の楽譜が用意されており、楽譜を見ながらのアレンジプレイになるところも(多々)あります。なぜフリーセッションの現場で昔の名曲を延々と聴かされなければならないのでしょうか?

 

 

さて、ここで、ワタクシの知るパワードラマーの身に起きた恐ろしいエピソードを紹介しましょう。

 

 

 

そう、それは今日のようなジメッとした暑い夏の夜の話なんですがね。知人から、とあるフリーセッションに誘われたんです…。「じゃあ鬼のようなロックビートをたたこう(*´∀`)」と遊びに行ったんですね…。ですが、現場に着くと、ある一枚の紙を渡されました。それは『Autumn Leaves』というジャズの名曲の楽譜でした…。

 

フリーセッションと聞いていたので、どうにもこの曲にやる気が起きず、その旨を主催者さんに伝えたんですね…。すると主催者さんはこう言いました、「駄目です。次はこの曲です。フフフ…」と…。思わずワタクシは「フリーセッションのはずなのにおかしいな〜」と不穏な空気を感じたんですね…。「嫌だなぁ、怖いなぁ…。」

 

でも、それも気のせいだろうと自分に言い聞かせ、「ゴリゴリの8ビートでAutumn Leavesにチャレンジだ!」と威勢よく叩き始めたんです。すると、開始2秒もしないうちに、隣にいた黒髪の長いワンレンの女性(ピアニスト)が、ものすごく恨めしい目で睨んできたんですよ(||゚Д゚)ヒィィィ!!

 

彼女は「やめて!やめて〜!」と、世にも恐ろしい剣幕で訴えてくるんです! 状況を理解できないワタクシは叩くのをやめ、あげくの果てに、その女性が指示するジャズビートをたたかされるハメになったんです…。そこから先は傀儡(操り人形)のように操られ、静かに自分の存在が掻き消されていくのがわかりました…。

 

(S並区在住:Y.Aさん談)

 

 

 

これはもう怪談の一種ですね…。一体全体、これのどこがフリーセッションだというのでしょうか?せめて『名曲アレンジ会』とでも名乗ってくれYO!(←文字とヒップホップのセッション)

 

私の周囲でも「好きなように遊べないからセッションに行く気がしない」、「発表会を見ているみたいでつまらない」等々の声も聞こえてきました。

 

う〜む…。こうなったら、次回はこの現象の核心に迫るしかありません。

 

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ダメな3つの理由

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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