ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

激録バンドマン密着24時!! 〜オレたちに明日はないSP〜

バンドマンなら己の恥部をさらせ

前回の「チケット一枚目からペイバックせよ」に続き、今回は「どうにもこうにもバンドマン自身が五里霧中で期待が望めない」ということについてお話しましょう。

 

前々回でお話したように、サラリーマン化したスタジオミュージシャンと、彼らの『高技術高従順性』に味をしめたレーベルのタッグにより、バンドマンたちは居場所どころか、もはやその存在意義すら自問自答する日々に陥ってます。

 

どんなに頑張ろうとも、この四面楚歌の状況下では、いやがおうにもバンド力は伸び悩みます。いやむしろ、その必死さ、葛藤、苦しみ、などを魂の叫びと勘違いし、表現にたどり着く前に、本当にもがいて沈んでいくバンドがいかに多いことか…。

 

 

近年の音楽といえば、サラリーマンミュージシャンのそつないサウンドか、悩みっぱなしのバンドミュージックばかり。

 

侮るなかれ、一般リスナーの耳はごまかせません。そんな音楽がほとんどだと言うのなら、音楽そのものに興味なくなるか、アイドルやアニソンといった『亜種音楽』に目を向けるしかないでしょう。

 

いやいや、アイドルもアニソンも、昔からものすごいクオリティーのものが多いので決して馬鹿にできません。彼らは、ビジネスのためならば、バンドサウンドもサラリーマンサウンドも迷わずに取り入れます。その徹底した雑食性で驚異的な進化を遂げているのです。

 

 

今や、完璧なバンドサウンドまで取り入れられしまって、煮え切らないバンドマンが入り込む余地は無しDEATH! 

 

こういった事態になってしまったのも、バンドマンがSNSで気持ちの浮き沈みやら決意やらをシコシコと書き込んでいる合い間に、頭脳と行動力に勝るエンターテインメント業界にお客さんを総取りされてしまった結果なのでしょう。結局、現段階では、努力も熱量もアチラさんのほうが勝ってるという現実。

 

嗚呼、嘆かわしい。

 

 

仮にも一表現者であるのなら音楽で示せばいいであろうことに、なんだかんだハメも外さず、SNSで仲間の連帯感を確認する日々。

 

そう、実はハメを外してない、やりたいようにやってないバンドマンって多いんですよ。ライブ前後に酔っ払って、ああだこうだ喋ってるけど、本番はただ間違えないように演奏したり、ひたすら力んで叫んだりしてるだけってバンドが如何に多いことか…。

 

バンドや仲間内での目線を恐れて何もしてないのが実際のところ。「あそこの構成間違えたでしょ?」とか、「テンポがおかしくなった」とか、「お客さんや先輩方に喜んでもらえなかった」とか…。ああ、ホントにどうでもいいことばかり(怒)!

 

なんだ、その身内の反応ばっかり気にしてる小者ぶりはー! なんのためのバンド活動なんじゃい! ハッキリ言って、そんなことは失敗にカウントされませんから。

 

 

表現っていうのは、普段、人前で見せられないような己の恥ずかしい部分、ヤバすぎる部分、マニアックな部分をさらけ出すこと!

 

己のやりたいことや生き様を存分に見せるために、練習やバンド活動をするのであって、ミスをしないために音楽している訳じゃないだろう! ミスが気になる暇があったら、駅前で己の性癖でもさらけ出せ! それこそが練習というものだ 。恥をかけないのが一番の失敗だ!

 

これ肝に銘じてくださいね。いくら演奏が上手くなろうが、己の恥部をさらせる覚悟がないようなバンドマンはいつまでたってもアマチュアですよ。

 

 

さあ、回を重ねるごとに腹が立つ内容になってきたかもしれませんが、まだまだ手を緩めません。それでは次回「音楽人なら◯◯で◯◯するなかれ」でお会いしましょう。

 

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音楽人なら…

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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