イベント会場の魅力探索ガイド Vol.16

神田明神ホール

江戸総鎮守「神田明神」境内にイベントホール登場

江戸東京に鎮座して1300年の歴史をもつ神田明神境内に、ジャパンカルチャーの新しい発信地となるイベントホールが2018年12月15日オープン。

伝統を継承し、新たな文化を創出する「神田明神文化交流館EDOCCO」2F・3F。参拝(挨拶)をすませてから、だいこく様、えびす様に見守られた新ホールをのぞいてみよう。

御茶ノ水、秋葉原エリア新基軸の700人キャパ

天井高6.9mの吹き抜け、フローリングフロア約17.3m×17.3mの木調ホール。

昇降ステージ(幅13m、奥行5m、高さ0〜1.2m)とPAブースを設置するライブ・コンサートではスタンディング最大700人、スタッキングチェア(51cm幅)を並べた座席スタイルで約280席のキャパシティ。3FバルコニーにVIP席15席(肘メモ台付き)。

凹凸のあるリブ形状のホール側壁は、音の反射・拡散効果に加え、伝統的な縞文様をイメージしたデザイン。縞を「いき」に着こなすEDOCCOらしいホール空間になっている。

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週末休日エンタメライブからビジネスまで

多様なエンターテインメントに適応する新しいスタイルの「祭り場」。300インチスクリーン、照明トラスバトン、美術バトン、幕類(袖幕、大黒幕、白ジョーゼット)、音響・照明・映像設備を備え、音楽ライブや落語、アニメ、プロレス、eスポーツなど幅広いイベントに利用できる。

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境内を見渡すVIPルーム、楽屋はステージ裏に直結

神田明神ホールではステージ裏に楽屋(モニター付き)と控え室各2室、出演者用の喫煙ルームを完備。

3FはVIPスペースと主催控室となっており、VIPラウンジ(ソファーセット15名)の窓から社殿や境内が見渡せる。

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ガラス張りのホワイエ、うつし世に映ずる祭神と美

吹き抜けの梁(はり)や柱には、平将門公に縁の深い多摩産材が使われている。見上げれば、ご祭神を象徴するモチーフが力強く描かれた「神田大明神祭礼絵図」(中央上)。境内から眺めると、建物を含めた「全体図」が浮かびあがる。

フランス・コルシカ島に住む「光の画家」松井守男の作品(中央下)。エントランスやホワイエ、館内の要となる場所に作品が飾られ、光の動線を形成している。えびす様尊像から「青」でつながる空間。色彩と筆致、気のうねりに乗って、潮流の彼方へ…。

全長約24mあるデッキの庇(ひさし)に、「EDOCCO」ロゴマークの屋根と同じ江戸文字「牡丹字」のヒダを発見。

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コインロッカー127個(小115個、大12個)

ロビーにクローク&コインロッカールームを完備。料金は小300円、大500円。 有効内寸(小)幅227×奥行425×高さ295mm (大)幅347×奥行425×高さ510mm

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3つの交流をテーマに誕生した「EDOCCO」

伝統×革新をかかげ、古来より伝わる日本文化からポップカルチャー、四季を通じて行なわれる祭り、さまざまな文化の交流と発信、活性化に寄与する場として新設された。

多目的な「器」としての神田明神ホール、地下には日本の伝統文化(和食、着物、芸能など)を体験できるEDOCCO STUDIOを併設。

正面左に、だいこく様尊像、御百度石、えびす様尊像、右に水神社(魚河岸水神社)。

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所在地:千代田区外神田2-16-2 御茶ノ水駅からのアクセス周辺駐車場公式サイト

※このページはライブウォーカーによる企画・取材・編集コンテンツです。当サイトは神田明神ホールおよび神田明神文化交流館、公演主催者、スポンサー等とは関係ありません。また、敷地内の写真は許可を得て撮影しております。画像・文章の無断転載等は禁止いたします。

MUSIC-MDATA編集部(取材日 2018年12月)

魅力探索ガイド一覧(バックナンバー)

江戸総鎮守神田明神
江戸三大祭のひとつ「神田祭」で有名。天平二年(730年)創建、1616年に江戸城の表鬼門守護にあたる現在地に遍座して以降、神田、日本橋、秋葉原、大手町・丸の内など東京108町会の総氏神として1300年の歴史をもつ江戸総鎮守。近年はアニメコラボでも注目を集める。
御神殿
江戸幕府により造営された前社殿が関東大震災で焼失後、昭和9年に復興された権現造りの社殿。鉄筋コンクリート造・総朱漆塗。左右に正面を向いた狛犬が鎮座。国登録有形文化財。
隨神門
鳥居をくぐって正面に建つ朱塗りの正門。四神(朱雀・白虎・青龍・玄武)、平将門公の「繋馬」、だいこく様にまつわる「因幡の白兎」など神話をモチーフにした彫刻が飾られている。
獅子山
関東三大獅子山(坂東三大獅子)のひとつで、能の演目にちなんだ「獅子の子落とし」を造形化した石獅子。江戸幕末期に製作された千代田区指定有形民俗文化財。
えびす様尊像
二の宮のご祭神、少彦名命(すくなひこなのみこと)。木の実の船に乗って、海の彼方「常世」から来臨された小さな神様。東京芸大学長・宮田亮平作。文化交流館の左隣に移設。
男坂
秋葉原方面から境内へ上る石坂。天保年間(1830~)に神田の町火消し4組が石段と石灯籠を献納。江戸時代は二十六夜待ち(月見)の名所。ラブライブ!聖地巡礼で一躍有名に。
神田明神文化交流館 EDOCCO
創建1300年奉祝記念事業として2018年12月15日オープン。1Fに授与所・参拝受付、SHOP&CAFE、2F・3F神田明神ホール、4Fラウンジ、B1Fに日本の伝統文化を体験できるステージを備えたEDOCCO STUDIOと着物屋を併設。
神田明神文化交流館 EDOCCO
サウンドペディア
御茶ノ水駅(千代田区)
神田川沿いにホームがあり、JR中央線快速と総武線が乗りいれる。東の「聖橋口」から千代田線・新御茶ノ水駅へ、西の「御茶ノ水橋口」から丸の内線へ乗り換えが可能。周辺にはニコライ堂、湯島聖堂、神田明神など歴史名所も多く、明大通り沿いは日本有数の楽器街。