ライブやろうぜ! ステージファイル Vol.95

赤坂 CLUB TENJIKU

赤坂CLUB TENJIKU について
2007年9月オープンした、あらゆる「楽しい」をカタチにする自由なライブスペース。オールスタンディングキャパ100人のフロアと、天竺スタッフが掲げる「絶対接客」のポリシーで、出演者、お客さんとともに居心地のよいライブ空間作りを追求。ロックバンドからオールナイトDJパーティーまで一体感のあるイベントが楽しめるのはもちろん、熱いハートをもったアーティストを支援するためのサポート体制も充実。千代田線赤坂駅から徒歩2分。姉妹店は両国SUNRIZE。
赤坂CLUB TENJIKU へのお問い合わせ
赤坂CLUB TENJIKU 公式サイト
東京都港区赤坂2-14-1 赤坂山王会館B1
TE:03-3560-2040
ブッキング・ホールレンタル受付中(詳細

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 赤坂CLUB TENJIKU 編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

赤坂CLUB TENJIKU店長 岡田優氏インタビュー

本日は赤坂CLUB TENJIKU(天竺)の店長、岡田優さんにお話をお伺いします。オープンはいつになりますか?

2007年9月22日オープンです。

以前、姉妹店の「両国SUNRIZE」も取材させて頂きましたが、TENJIKUが一号店になるのですね。

そうですね、会社としてはここTENJIKUのオープンが先です。両国SUNRIZEは四谷FOURVALLEYを引き継いだという経緯があるので、SUNRIZEの方がライブハウスとしての歴史はあります。

岡田さんがTENJIKUに入られた時期と経緯をおしえてください。

TENJIKUの前店長から誘われたのがきっかけで、2011年頃に入りました。じつはその当時、もうあまり音楽には関わりたくなかったんですよ。自分のバンドも活動終了してしまって、もう音楽にお腹いっぱいという感じだったのですが、前店長に「お前の情熱がほしい!」と頼まれて。

当時の店長に口説かれて入った?

僕に、そんなに情熱はなかったように思うのですが(苦笑)。それで入ったら、思っていた通り、本当にキツイ!の一言(笑)。当初は、ブッキングから受付、そしてドリンク出しまで、すべてを僕と前店長の2人だけでまわしていましたから。

それは情熱がないとできませんね。アルバイトにお願いするとかはなかったのですか?

当時は、お店の売り上げとの兼ね合いもあったし、毎日やみくもに業務をこなすだけで、考える余地すらなかった(苦笑)。そんな状態で2年くらいたって、ようやくドリンク担当など、アルバイトスタッフに入ってもらうことができました。

岡田さんが現場をみるようになって、ようやく落ち着いてきた?

落ち着いているのかな? 僕には判断できないけど(笑)。とりあえず、スタッフは増えました。

サウンド、音響面の特徴やこだわりはありますか?

小さい箱なのでPAの工夫は必須ですね。ライブは歌ものが多いので、爆音のなかでもしっかりボーカルを聴かせたいし、アコースティックの場合は、スタンディングか着席かで、音がかなり変わってきます。また、イベントによっては普段ライブハウスに来られない方が大勢あつまることもありますから、PAではそういったことを考慮して、臨機応変に音作りをします。

PAは、現場で学ばれたのですか?

はい。いまのPA担当も叩き上げです。はじめたころは厳しい意見ももらっていましたが、自分で良い音を研究したり、メジャーバンドを担当するPAさんに教えてもらったりして身につけて来ました。同じバンドでも、当日のお客さんの層や、対バンによってPAのスタイルを変えています。

狭いスペースだからこそ、できるだけ居心地のよい空間に

お店のモットーなどありましたら、おしえてください。

前店長の時代から、とくに若いアーティスト、バンドの育成には力を入れています。

バンドのサポートを積極的に取り組むハコも増えてきていますが、CLUB TENJIKUの特徴としては?

育成といっても、アーティストにアドバイスをするというのは、音楽について相当のスキルや知識がないとむずかしい。サポートする側が音楽についての勉強をつづけるのは前提として、世代や時代によって捉え方やニーズはどんどん変わっていきますから、彼らの取り組みに対して、具体的にこうしろ、ああしろと言うようなことはしません。

そのあたり、バンドマンに対する接し方は、ライブハウスによってカラーの出るところです。

僕らの考えとしては、こちらの意見を押し付けるのではなく、アーティストやバンドが自分たちで考えて、先に進んでいけるようなきっかけ、意見交換ができる場所を提供していくのが役目だと思います。

具体的にはどういった機会を設けていますか?

たとえばライブ本番前に、ゲネプロの場所として、ステージを利用してもらっています。ここで発見した問題点をスタジオ練習の課題にすることで、目的意識をもって練習に取り組めるし、なによりライブまでの気持ちづくりがイメージできると思います。

それはよいですね。リハーサルスタジオと実際のステージでは違いますからね。

それと、これも前店長の言葉づかいが丁寧だったことに由来しているのですが、「絶対接客」をモットーに、というより会社全体のルールとして定めています。昔のライブハウスは、お客さんに対してぶっきらぼうな店も多くて、それを快く思わなかった方も多かったですよね。

一般的には、ライブハウスに対してそういう印象がまだ根強くあるようです。

ライブハウスという狭いスペースだからこそ、お客さんにとって、できるだけ居心地のよい場所になるよう、日々話し合って改善しています。ライブは、その当日に関わるスタッフ、バンド、それとお客さんで作っていくという意識が大切で、そのあたりはバンド側にも求めています。あまりに愛想のない振る舞いをしている時は、バンドマンにだって注意しますよ。

たしかに一昔前のライブハウスには、ある種の圧がありました(苦笑)。でも、考えてみれば、接客業としてはあたりまえのことですね。

ですよね。丁寧な受付やバーカウンターでのオープンな対応で、お客さまに気持ちよくドリンクを買っていただきたい(笑)。豊富なドリンクメニューもうちの売りですので、ぜひ。

正直言うと、ライブハウスでは働きたくなかった(笑)

つづいて、岡田さんと音楽の出会いをおしえてください。岡田さんはどちらの出身ですか?

高知県の出身です。音楽の出会いとしては、中学の時の聴いた、KATZE(カッツェ)やブルーハーツに心をつかまれました。とくに、KATZEのボーカル、中村敦さんのライブは今でも観に行っています。そのころはまだ聴く専門で、バンド活動は高校生になって始めました。

どういったバンドですか?

当時、THE MAD CAPSULE MARKETS、COBRA、THE RYDERS、THE STAR CLUBなどに影響を受けまして、同じ高校のメンバーでパンクバンドを組んで、僕はボーカルをやっていました。

そこから本格的に音楽に目覚めた?

はい。バンドにのめり込みすぎて、高校の単位を取るのを忘れてまして(笑)。しかも、奇跡的にバンドのメンバー全員が留年。「これであと1年バンド出来るやん!」って(笑)。

ポジティブ思考すぎますよ(笑)。

でも、そのおかげで、バンドの実力的には高知県で1番になれたと自負しています。

地元で力をつけて、いざ東京に乗り込むわけですね?

気合いも入っていたし、高知を代表するような気持ちで上京しました。19歳のときです。でも、こっちに来てからは知らないことばかりで。オーディションシステムも知らないし、スタジオに録音機材が設置されているのにも驚きました。

東京でのライブ活動、すべり出しはどうでした?

戸惑うこともありましたが、知り合いのツテで、オーディションなしでもライブハウスに出演できました。SILENT KIDSやSHACHIといったバンドらと一緒にイベントやツアーをやるようになり、そこから「V/A JUNK」という、全国のバンドマンを集めたオムニバスCDにも参加しました。今では考えられないくらい売れたんですよ。それでバンドの名前が広まって、活動範囲が一気に広がりました。

まさにバンドにとって追い風の時代。しかし、転がりつづけるのが音楽人生…。

そのとおりです。その後、高校からやっていたバンドは活動をいったん終了。もうひとつ、僕が初めて作ったバンドがあって、死にものぐるいでやっていましたが、それも熱量がうまく循環しなかったのか、メンバーが抜けてしまって…。

それでも、音楽は辞めなかった?

いろんなバイトをしながら、歌うことは続けていましたが、だんだんと音楽の優先順位が下がってきて、仕事についてもあれこれ考えていました。そんなとき「TENJIKUに来てくれないか」という誘いがあり、先ほど述べた流れにつながるわけです。でも、正直言うと、ライブハウスは一番働きたくないところでした(苦笑)。

冒頭のちょっと音楽とは距離をおきたかったという時期ですね。にもかかわらず、ライブハウスで新しい一歩を踏み出しました。

半年間ずっとお断りしていたのですが、店長だけでなく、今の社長からも熱いスカウトを受けまして、ここまで自分を口説いてくれるって、いったいどういうことだろう、と思うようになり、その熱意に押されました。

熱量の伝播というか、岡田さんの音楽への情熱が、かたちを変えて、TENJIKU(天竺)のエネルギーとして息づいているように感じます。それでは最後に、CLUB TENJIKUからメッセージをおねがいします。

小さいライブハウスなので、若い人をはじめ、老若男女みなさんが楽しめる箱にしたいです。そして音楽を楽しんでくれるみなさんに言いたいです。ずっと音楽をつづけてほしい、そして音楽のすばらしさを伝えつづけてください!

勇気づけられるメッセージをいただきました。本日はありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2018年8月)

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両国SUNRIZE
両国SUNRIZE
2009年11月オープンした両国のライブハウス。赤坂CLUB TENJIKUの姉妹店で、Spirit(志)× Moral(礼儀)× Body(身体作り)をコンセプトに独自の音楽文化を形成。世界の瓶ビールが名物。