ライブやろうぜ! ステージファイル Vol.20

新宿カールモール

新宿カールモール
新宿カールモール について
1970年、現マスターが開店し今年45周年の老舗。開店当初は、女性がお酒をサービスしながら生演奏でハープやピアノを聴けるクラブとして営業。入り口は一つだが、一階は高級志向、二階はカジュアル志向と区別し独自の営業スタイルを築く。15年ほど前、マスターの奥様の他界を期に徐々にバーとしての色を強め、現在は後継者にも等しいマダムの尽力で音楽ありエンターテインメントありの『ライブサロン』として深く新宿に根付いている。
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弾き語り、バンド、芝居、朗読、基本的にジャンルは問わず出演者募集中。応募方法はプロフィール、活動形態、音源が聞けるURLなどを記載してメールにてご連絡ください。
新宿カールモール
新宿カールモール 公式サイト
東京都新宿区新宿1-34-13 貝塚ビル1F

ライブサロンのマダムに話を聞いてみた〜新宿KARLMOHL編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

KARL MOHLのマダム
SNSやホームページを覗いても『カールモール マダム』との情報しか得られない謎の貴婦人…、と思いきや、実際目にすればそのイメージは一転。気さくで物腰柔らかい綺麗なお姉さま。
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本日はよろしくお願いいたします。実はカールモールに来るのは初めてでして少しビビっています。マスターだけでなくマダムもいるというから尚更…(笑)。はじめに、マダムがここで働くようになったきっかけから教えて下さい。

マダム5年くらい前にマスターに「お店(カールモール)をやってくれる人を探してるんだけど、よかったらやってみない?」と声をかけてもらったんです。

それはどのような経緯で?

マダムそのころ私はアコーディオンの弾き語りライブをやっていてカールモールの下の階にあるライブハウスHEADPOWER(※現Wildside Tokyo)にも何度か出演していたのですが、その頃からずっとこの店が気になっていました。あるときライブ帰りに寄ってみたら、こんな雰囲気だし面白いおじいさん(マスター)が出てきて「ここでもライブやりなよ」って言ってくれるしで(笑)

マダムにとって気になる場所だったんですね。

マダムはい、レトロなものや昭和っぽいものが好きだったのもあってとても魅力を感じました。それからこことのお付き合いが始まって、ただ、まだその当時は普通に社会人をやっていたので、カールモールはライブをしたり飲みに来たりと、客としてお気に入りの場所の一つだったんですね。

あまりにも好きすぎる店なんで悩みました。

その状態で「店をやってみないか?」ってのは考えちゃう選択ですね。

マダム今までだったらすぐ飛びついていたと思いますが、当時はあまりにも好きすぎる店なんで「潰しちゃったらどうしよう!?」とか考えて即答できなかったんですよ(笑)

確かに好きすぎると嬉しさ越えてプレッシャーの方が大きくなりそう…。

マダムそうなんです。なので、ちょっと「保留」にしていたのですが、大好きなこの店が無くなってしまうのは嫌だし、どうせならここだけ一本でやろうと覚悟を決めました。それがちょうど4年ほど前ですね。前職の契約も切れるタイミングだったので。

まさに後継者だ。僕自身はまだカールモールさんのライブなどを見ておらず恐縮なのですが、ホームページで拝見したところ、お笑い方面の方なども出演してるように見えましたが?

マダムまだ、お笑いの方は少ないですが音楽以外でも、お芝居やダンスといったエンターテインメント系の方には沢山出演してもらっています。

お芝居? なるほど、そういわれると納得。メイクや衣装のド派手な方が目にとまったので気になってたんです。お店としてはライブやショーありきでということですか

マダム基本的には「飲み屋」なのでお酒を飲みに来て頂きたいのですが、音楽やエンターテインメントのアーティストたちが集う場所なので、それをもと有効活用したほうがいいんじゃないか、とやっているうちにライブやイベントがメインになってきた感はありますね。

流れに逆らわずっということですね。

マダム結果、モノをつくったり発信したりする人たちのサロンみたいな場所というイメージになってるのかな?

確かにここはかなり濃いというか面白い人が集まりそうですね。

マダム面白い人しか集まらないです! 普通の人がマイノリティー。

あ、やっぱり。自然に集まっちゃうのでしょうね(笑)。

マダム濃い人が集まって、その人たちがまたここを紹介してくれると、やっぱり同じように濃い人たちがワラワラと…(笑)。マスターも『サブカルチャーを応援するライブスペース』と言ってることもあって、ホントにサブカルの人も多く集まりますね。

完全に視界を塞ぐとものすごく耳がよく聞こえるんです

イベントも面白そうなのやってますよね?

マダムそうそう! 例えば『目隠しの夜』という企画があるんですけど…。

これはまたそそられる、魅惑的なイベント名ですね…。

マダム一昨年くらいに私の思いつき出始めたのですが、評判が良かったので続けてるんです。よく顔が可愛いアイドルみたいな弾き語りの子とかいるじゃないですか。もちろん一生懸命演奏してるのはわかるし、それに対してお客さんがいっぱいついてるのもわかるんですが、はたしてお客さんは女の子が可愛くなかったとしても本当にその音楽が好きなんだろうか? という疑問から始めたんです。

で、実際目隠しまでさせちゃうんだ(笑)

マダムそうです! 目隠しも私が一つずつ作っています(笑)絶対ではないですけどね。アーティストさんも曲によって目隠しするように促したりしてます。実際演者さんもお客さんもすごく喜んでくれているですよ。完全に視界を塞ぐとものすごく耳がよく聞こえるんです。間違った音や息を吸う音まで鮮明に聞こえてくる。

そういったネタはまだありそうだな~(笑)

マダムいろいろありますよ。一昨年開催した『マダムのフルコース』って企画がありまして、それはフルコース仕立てで前菜、パスタ、メイン(魚料理・肉料理)、デザートという流れをワンスプーンディナーの形式で食べてもらってから演奏するっていうのをやってるんです。でも、二回やって二回ともコストがかかり過ぎちゃったので改良の余地がありますね(笑)

なにせフルコースだから(笑)

マダムそうなんですよね(笑)まあ、ウチは音響機材などは揃ってないですけど、こうやってみんなで企画やイベントを作って盛り上がっています。他にも、月末には『ハープの森のソワレ』というイベントもやっていて、ハープ弾き語りのNERAさんという方に2ステージのライブをやってもらっています。その際、キャンドル作家のvelonicaさんという方とコラボで二階をキャンドル一色にしてもらい、そしてハープを聴きながらお酒を飲むという趣向です。

それは幻想的ですね! このお店の雰囲気も相混ざって更に良い演出になりそう。

マダム毎週最終木曜日にやってます。最終水曜日にはシャンソンの高橋絵実さん(公式サイト)という素晴らしい歌い手さんにも2ステージライブをやってもらっています。あとは「カールモール手芸部」っていうのもやってます。

手芸? それライブでやるんですか?

マダムこれは大人の部活動ですね(笑)先生がいるので、一人2,000円で材料費とドリンク付きでフェルト手芸とか作ってます。

何かを表現する場所であり、皆が集う場所であってほしい。

括りとしてはミュージックバーを超越している気も(笑)

マダム人が集まる場所であって欲しいっていうのが一番なので、私は『ライブサロン』と言っています。ライブっていうのは、音楽だけでなく何かを表現することであってほしいし、ここはそれらを提供する場所でありたい。そして皆が集う場所でもあってほしい。『ライブサロン』っての言葉は、その両方を兼ね揃えた言葉なのかなと思います。

ライブハウスだとお客さん同士のコミュニケーションというのはあまりとれないから、サロン的な場でライブを見たいって人も多いはずです。

マダムホントにアットホームな感じなんでみんな仲良くなれます。出演者同士、出演者とお客さん、お客さん同士、みんなが関わりを持ちやすい空間かな。

二丁目やゴールデン街も近いし、店構えを見ると相当ディープなイメージなんだけど、このギャップは来た人じゃないとわからないだろうなあ(笑)

マダム想像膨らませてくる人は多いですね。入り口の木の扉を開けた人が初めてこういう場所だと理解できるようになってます(笑)敷居が高そうで入ってみたら全然違うっていうギャップがこの店の良いところかもしれない。怖い人もいませんし、明瞭会計ですし至って健全なとこですよ(笑)

マダムも謎の印象ですよ。どこを調べても本名が出てこないし、ホームページからもSNSなどで使用しているアイコンしか出てこないし…。

マダム色んな人が「あの店にはマダムがいるらしいよ!?」って来てくださって、来る前までは髪の毛がすごいことになった有閑マダムみたいのが出てくる…、と想像されているらしいのですが、実際会うとこんなですしね(笑)

全体的なギャップのサジ加減が絶妙だと思います。ちなみにお客さんはどういった層が多いですか?

マダム意外にうちは幅広くて20代から70代の広い層でお客さんがいらっしゃいます。コアなことをやってるアーティストのお客さんって、造詣が深く、インテリジェンスなお客様が多かったりします。

営業もやりますしブッキングも全部やるしお酒も作るし接客もするし掃除もするし(笑)

マダムの仕事内容はどのようなものですか?

マダム全部ですね! 営業もやりますしブッキングも全部やるしお酒も作るし接客もするし掃除もするし(笑)

マダムっていうと扇子片手に「オホホホホ」ってイメージですけど、堅実に働いているんですね(笑)

マダムあくせくと働いてますよ! ライブハウスさんなんかだと分業制のとこもあると思うんですが、ウチでは基本的には全部自分でやってます。今でこそアルバイトの方に手伝ってもらうこともありますが、マメにやらないとその後痛い目見るのは自分なので(笑)

確かにライブハウスなども集客は減っていますから厳しい部分は同じなのでしょうね。

マダム正直うちもイベントによって格差は出たりしますが、私が仕事始めたばかりの、全然お客さんがイベントに来てくれなかった時よりは多少は良くなってきてるのかなと思います。でも、テーマや方向性がしっかりしているイベントなどでは満員御礼な時もありますから、まあ何とも言えないという状況ですかねえ…。

飲み屋としての看板もあるので、お客さんもライブハウスとはまた少し違った出入りをしそうですね。

マダムそうですね。(飲み屋として)今度ここで飲んでみようかなって感覚でフラッと寄ってくれることもあります。あとライブに関しても、アーティストさんの数あるライブの中で、わざわざウチを選んでくれるお客さんも結構多いという話をアーティストさんから聞いたりもしますね。

選んでくれるポイントはどこらへんだと思いますか?

マダム座ってゆったり聴けるというのと、食事も出来て雰囲気もいいから、という事を耳にします。ライブハウスだと行き慣れる、慣れない、とかの部分もあるし、好き嫌いの部分がハッキリ出てしまうところもあるけれど、こういうところだとライブが終わった後に喋ったりゆったりも出来ますからね。そういう部分を重視してるお客さんも増えてるようにも思います。

ライブハウスでも『逃げ場が欲しい』というお客さん多いですからね。さて話は変わりますが、マダムから見た昨今のエンタメ・音楽シーンはどう写っていますか?

マダムお芝居やライブでも、生で見られる機会が昔より選択肢が増えたなあと感じます。生のライブを間近でちゃんと見るとこんなにいいものだったんだって思ってくれる人も多いらしくて、それを体験できる場所が今は増えてるし、お客さん自体も生で観ることに重きを置くようになってきているんじゃないかと思います。

ライブハウスも飲み屋も増えましたね。

マダムCDって人の琴線に触れる部分はカットしちゃったりしますけど、それが生のライブだとその琴線の部分が素晴らしいものとして伝えられたりもするんですよね。例え演奏が上手くなくても、生ならではの迫力や表現っていうのがあって、そういった部分を喜んでくれるお客さんもいらっしゃいます。今はCDなどは売れませんが、ライブを観に来てくれてるお客さんは、生で聴くことでの価値ってのはすごく理解してるんじゃないでしょうか。

世の娯楽が増えすぎたおかげで、逆にライブとか生のエンターテインメントって新鮮なのかもしれない。

マダムみんな出尽くしちゃってますしね。CDも大体似たような音になったし、どの音も綺麗すぎる。綺麗すぎて逆につまらない(笑)

スバッと来ますね(笑)

マダム音楽業界自体、お金儲け優先でやってきたところは縮小していますが「面白いコト」を追求していれば今後も生き残っていけると思います。「面白いコト」にはエネルギーがあるので自ずと人も集まってきます。お金はやったことに対しての対価(=付加価値)として結果的に得られるものだと思っているので。

まさしくその通りだと思います! イベント然り立ち位置然り、変化しながらもブレないお店だと感じさせられました。本日は貴重なお時間ありがとうございました。

マダムこちらこそ。是非遊びに来てくださいね!

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2015年1月 )

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全身網タイツシャンソン歌手、蜂鳥あみ太=4号とシャンソンロックユニット、ボランドール劇団とのツーマンショーをカールモールで開催!その名も「御苑グラムシャンソン・コンクール2015」という事でグラムでシャンソンでシュールでコニャニャチワな混沌の夜になる事間違いなし!数々の奇跡にも乞うご期待。
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2015年2月12日(木)公式サイト
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2015年2月26日(木) スケジュール等
サウンドペディア
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Wildside Tokyo
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