ライブやろうぜ! ステージファイル Vol.12

新宿Live Freak

新宿Live Freak について
2003年7月、ハードコアの店を引き継いでスタート!現在は弾き語りからハードコアまで様々なジャンルのライブを展開。出演バンド募集中。チケットノルマ(料金)[Band] 平日 ¥1,800×15枚 / 金・土・日 ¥2,000×15枚(16枚目以降50%バック) [Solo] 平日 ¥1,800×7枚 / 金・土・日 ¥2,000×7枚 (音源・プロフィールを郵送またはメールにて受付。イベント企画の持ち込みも可)
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ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜新宿Live Freak編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

新宿Live Freak店長 男野裕紀氏

新宿Live Freak店長 男野裕紀 氏
@twitter / Facebook

本日は、新宿Live Freak店長の男野(おの)さんにインタビューさせていただきます。よろしくお願いします。まずは、恒例事項になりますが、まずLiveFreakの歴史を教えてください。

よろしくお願いします。新宿Live Freakのオープンが2003年7月です。去年でちょうど10周年でした。オーナーは別にいるのですが、僕も経営として立ち上げ時からいます。ここの前は赤坂のLoveというライブハウスでやっていたんですが、音に対する苦情で3年くらいで無くなってしまったんです。元々ギターショップさんが作ったライブハウスで、出音も“楽器屋さんの試奏レベルで”という契約だったんですよ。外資系の会社などが入った閑静なビルだったんですが、普通にライブやっちゃってましたから、それじゃあ契約違反だということで事で(笑)。

その後、LiveFreakの立ち上げに至ったのですね。

ですね。ただ、ここも当時問題を抱えていたんですよ。その頃はまだLiveFreakでなく、オーナーさんの好み一本ということでハードコアのハコだったんです。でもやっぱり凄まじい爆音だから苦情が来ちゃってて大変な時期だったみたいで(笑)。僕も赤坂のライブハウスがなくなってたので、オーナーと話をして、ここで普通のロックなども取り入れてやりましょうという経緯で出来たライブハウスです。

ある朝、売り上げの回収にと現場に行くと、機材も売り上げもごっそり丸々なくなってたんです。もぬけの殻ですよ(笑)!

ハードコア時代の影響か、音の太さは半端ないハコですよね(笑)。音圧で酔えるレベル。

設備はかなり良いと思います。ステージスピーカーはJBLのモノなんですが、これが凄い(笑)。ステージの作りもお客さんが見やすいようになってます。

ちょっと話は戻りますが、赤坂Loveの前は、渋谷O-WESTの舞台監督とO-nestの立ち上げをやっていたんでよ。その時はO-nestのフロアはクラブだったんです。でも、当時のクラブ業界は“ガッと稼いで一気に逃げる”という輩が多かったんですが、僕もまんまとソレをやられちゃいまして(苦笑)。

稼いで逃げる!? 具体的に聞かせてもらえますか?

クラブの現場は知り合いに任せてたんですが、ある朝、売り上げの回収にと現場に行くと、機材も売り上げもごっそり丸々なくなってたんです。もぬけの殻ですよ(笑)!

なんですかその悪夢みたいな状況は!? 全部持ち逃げって事ですよね?

ハハハハ! びっくりしましたよ。何が起こったか理解できませんでた。まあ時効の話だからいいですけどね(笑)。

よくその状態からO-nestを立ち上げましたね!?

ええ、ほんとに(笑)。

その後赤坂Loveもなくなり…、そう思うと、今は安心して腰を据えられてるんじゃないですか?

でもここを引き継ぎ当時は、さっき言ったようにハードコア時代の苦情の裁判なども引き継いだので大変でしたけどね。東京地裁までいきましたよ。行きたくない場所ですよ(笑)。そう思うと、元々は関西でブッキングからのスタートですが、それを含めると25年近くライブハウスで働いてきて、一つの場所に10年居られたのは初めてです。

持ち逃げや閉店まで経験されても(ライブハウスを)続けられるのは、やはり“好き”だからなんでしょうね。

結局そうでしょうね。あとやっぱりバンドが好きなんです。

そういえば、男野さんは気に入ったバンドをメディアにピックアップしてあげたり、さらに大きい会場で出来るようエスコートしたりと、バンドに対して非常に面倒見が良いところがありますよね?

良いバンドには協力はしていきたいです。ライブが自分の感性で(良し悪しを)観れなくなったら第一線をやめようかなと思ってたんですが、でもまだ全然やめるような状況には行きつかないんですよ。

それは嬉しい事ですよね。元気のない音楽業界で、男野さんの情熱が途絶えないような良いバンドが出続けるというは僕らにとっても嬉しい現状です。ここでもう少し掘り探ってお聞きしますが、男野さんからみたライブハウスシーンは現状どうですか?

正直言うと、若手のバンドがちょっと他力本願かなと思います。自分で切り開くっていうより、何かに乗っかろうという意識が強すぎだなあと。もっとオリジナリティー溢れるイベントを作ってほしい。“バンド企画でイベントやりました”って流れじゃなくて、もっと知恵を絞った発想や気持ちがあると良いんですけどね。ありきたりになってるかな。あと集客! お客さんを増やそうっていう気持ちが感じられない。業界自体が元気がないと言われればそれまでだけど、色んな時代があるわけだからそこはアーティスト本人次第だと思います。

例えばどのようなイベントが印象的になると思いますか?

大体やりつくした感はありますけど、アートや映像を取り入れたりってのが当り前にもなったように、ステージだけじゃなくライブハウスの全空間を色んな角度でつかって欲しいですね。

大きなライブハウスに出れるチャンスが来たり大事なポイントってのがあって、そういう時はメンバーで団結して頑張って欲しい

機材を壊さないようにとか、スタッフに迷惑かけないようにという思いから、無意識に自粛してる傾向もありそうですね。

そこは打ち破ってほしいですね(笑)。ちょっと優等生すぎるのかな? でもやっぱり挑戦はしてほしいですね。今200人のキャパでやってるなら、O-WESTなりO-EASTなり大きなステージを目指して欲しいです。そのためには集客も増やさないと。普段から増やすのは難しいけれど、少し大きなライブハウスに出れるチャンスが来たりなど、大事なポイントってのがあると思うから、そういう時ぐらいはメンバーで団結して頑張って欲しいなあと思います。

ちょうど去年S.H.EがO-WESTでワンマンやりましたけど、300人くらい入りまして、僕も客席やステージ脇から見ていたんですが、結構良い雰囲気だったんですよ。で、他にもこういう風にステップアップを出来るバンドいないかなあと思ってたんですが、結局そういうバンドはまだいないんですよね…。

S.H.Eは確実にステップアップしていってますね。

そこはレベルアップというか、上にいく意識があるんでしょうね。こういうワンステップを経て、バンドもお客さんも気持ちよかったっていう現場を継続したいので、4/17(木)にO-WESTでLiveFreak冠のイベントやるんですよ。ワンステップ上に行こうってことで、一バンドずつお客さん50人くらい呼んでもらって、計300人くらいで楽しく賑やかな空気を作ろうという目的です。別に一銭も儲からないですけどね。0かマイナスでしょう(笑)。

MAGUMI(ex LÄ-PPISCH)さんが『男野くん、インディーズで良いバンドいっぱい居るんだよ。こいつら絶対世に出したいんだよね。』と話してくれた

登竜門的なイベントになりそうですね。

イベント名は「円山町MixtureNight」っていうんですが、これは僕がO-nestで働いてた頃に、LÄ-PPISCH(レピッシュ)のボーカルのMAGUMIがO-WESTのゲストで出演してた時があって、同じビルの7階で打ち上げする予定だったんですが、貸切だったらしく使えなかったんですね。で、6階(O-nest)で打ち上げするってことになり、一緒に飲むことになったんです。その時MAGUMIさんが『男野くん、インディーズで良いバンドいっぱい居るんだよ。こいつら絶対世に出したいんだよね。』と話してくれた内容に共感を受けて始まったイベントなんです。このイベントはDragon AshSNAIL RAMPKEMURIなども出てました。

それすごい! それぞれのシーンを作ったバンドが勢揃いじゃないですか。

MixtureNightのネーミングはMAGUMIさんが付けたのですが、当時ミクスチャーという言葉は“色んな音楽が融合された”という意味合いで使ってまして、特に今でいうヘビーロック等のイメージで使ってたんじゃないんです。だから別にジャンルも決まってなかった。

で、その時僕はビースティーボーイズ…、いわゆるグランドロイヤルの作品が好きだったんですが、グランドロイヤルのミックステープを聴いたら、もうジャンルがバラバラなんですよ。

ヒップホップ、ガレージパンク、フォーク、ハードコアと色々入ってたんですが、全然違和感を感じなかった。普通だったら『何このバラバラ感?』とか思っちゃうんですけど、そのテープは凄く良い空気感だったんですよ。それまでは僕もジャンルに縛られたイベントを組みがちだったんですが、このミックステープを聴いて発想が変わりました。『イベントってジャンルがバラバラでも空気感が一緒だったら良いんだ。むしろそっちの方が面白い!』という発想になりました。それで始めたイベントが“俺たちのグランドロイヤル”ってイベントだったんですが、それがちょうどMAGUMIさんの言う“円山町MixtureNight”とリンクしたんで、イベントの空気感や目指すものが近かったですね。

良いイベントをして、美味しいお酒飲みたい。それだけですよ。反省会なんてしたくないですから(笑)。

その“空気感”ってのは説明しづらいですよね。ホントにバラバラな時もあれば、ジャンルが違えど一体感があるときもある。気持ちの問題なんでしょうか?

色んな要因があるでしょうね。イベント作ってる人間、集まったバンド、それ次第でバラバラにも良いものにもなる。ジャンルが違っても同じ空気になれるってのは、ライブでしか味わえない醍醐味でしょうね。メッセージや定義をあげれば共通点はあるのかもしれないけれど、それだけじゃないんですよね。一言ではまとめられない、肌で感じる何かってとこでしょう。

4/17のイベントも空気感を一緒にしたいですね。

良いイベントをして、美味しいお酒飲みたい。それだけですよ。反省会なんてしたくないですから(笑)。ただ、イベントの前にここ(LiveFreak)で予選やりました。本来なら予選なんて無しに良いバンド集めてやっちゃえばいいんだけど、今の時代は良いイベント打っても(バンドが)お客さん呼んでくれなかったりするじゃないですか!? いくら内容よくても、O-Westとかでガラガラだったら、お金の問題とかでなくて、寂しい気持ちになりますよ(苦笑)。

ここまでの流れで素直な気持ちを言わせてもらいますが、男野さんはバンド思いというか、今時珍しい程の献身的ですよね?

どうでしょうね? 自然にこうなってるだけですけどね…。確かにバンド寄りな考え方なのかもしれないですね。それだから全然儲からないけど(笑)。

やはり大箱でやっていくというのは様々なものを背負いますし、そこまで引き上げていくっていうのは並大抵の労力ではないと思います。バンドも良さだけでなく絶対的な実力も必要ですしね。

自分の音楽ないし今までの生き方がそういう方向に向いてるんだろうなと思います。古い考えかもしれないけど、ライブハウスでやってるバンドがビッグに育ってって欲しいなと思うんですよね。最初の円山町MixtureNightでやってたバンドが、3年後には赤坂BLITZZeppでやってたりしてたんですよ。今は(ライブ)シーン自体が作りにくいんでしょうけど、それでもなんとかバンドが伸びていって欲しいなっていう気持ちも込めてます。育ったバンドが武道館でやるようになったりしても、ここでシークレットライブやってくれたらかっこいいじゃないですか!?

LiveFreakさんだけでなく、そういう志が少しでもあるライブハウス同士がつるんでシーンを押し上げていくと良いですよね。若い子にとっても嬉しいことだと思います。

若い子とも、もっとそういった話をしていきたいんだけど、精算の時などにそこまでは話せないんですよね。だから極力打ち上げをライブハウスでやるようにしてるんです。まあ、今の子達は打ち上げもなかなか残ってくれないんですが…。でも残ってくれた子達には色々話して、ハッパかけたり褒めたりしてますよ。持ち込み企画で無い(実力の)ワンマンライブを出来るようになって欲しいですね。

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2014年1月 )

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O-WEST
ツタヤO-WEST
1991年2月、当時都内初の1,000人収容クラスの大型ライブホール「渋谷ON AIR」としてオープン。その後1993年に通りを挟んだ向かいのビルに「O-WEST」が誕生。2013年12月にTSUTAYA O-WESTと命名されている。渋谷O-Group系列のライブハウス。
O-nest
O-WESTと同じくO-Group系列のライブハウス。O-WESTのビル6階にある。キャパは250人。2013年12月以降はTSUTAYA O-nestとなっている。ちなみに同ビル内には同グループの複数ライブハウスがあり、7階はライブハウス7th FLOORとなっている。
S.H.E(Struggle-Head,Emergence)
SHE
日本のオルタナティブ・ロックバンド。EMERGENZA MUSIC FESTIVAL2011優勝。日本代表としてドイツで行われたTaubertal Festival内のEMERGENZA INTERNATIONALFINALにて4位入賞。パワフルかつ美しく儚いホップなメロディとオルタナティブなサウンドで注目をあつめる
公式サイト
円山町Mixture Night
LA-PPISCHのMAGUMIがプロデュースするミクスチャーイベント。KEMURI・SNAIL RAMP・POTSHOT・Dragon Ash・TRICERATOPS・RIZEなど多くのバンドを世に送り出した。2000年にはZeppTokyoにて『お台場Mixture Night!!』を開催。
LÄ-PPISCH
レピッシュ
ボーカルMAGUMIを中心に1987年デビュー。リーダーの杉本恭一(Gt)と鬼才・上田現(Key)の作品が、ファンキーなサウンドとMAGUMIの突撃ラッパとボーカルが融合してJロック創世記から異彩を放つ。2005年に活動休止。2007年から活動再開するも上田現が死去。14枚のシングル、12枚のアルバムをはじめ数々の作品を発表。現在もフェスなどのイベントで不定期に活動中。
グランドロイヤル(Grand Royal)
グランドロイヤル
かつてビースティーボーイズが運営していたレコード会社。当時の型にはまったミュージックシーンへのアンチテーゼとして、パンクスピリッツの復興・改革的な音楽活動の拠点を目指し、ポップスからテクノ・ハードコア・ノイズまで様々なジャンルのアーティストが作品を発表した。活動は音楽のみならずサブカルマガジン出版、ファッションにまで及んだが、経営難で2001年には閉鎖。
赤坂BLITZ
赤坂ブリッツ
赤坂サカス内にあるTBSテレビが運営するのライブホール。1996年にオープン後、再開発計画のため2003年に閉鎖、2008年にリニューアルオープンと成る。キャパ14,18人。ロックバンドのライブやアイドルコンサートなど様々なをライブが行われている。