LiveWalkerが取材したライブハウス・インタビュー特集(全111回・2013年7月〜2020年2月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.73

渋谷 NOSTYLE

渋谷NOSTYLEについて
渋谷道玄坂のライブ&クラブラウンジ。2003年オープン以来「通好み」のCLUBとしてクロスオーバーなイベントで賑わう。「ばってんむら」「道端夜戦」「bottle」などDJ&バンドによるドープな定期イベントから、アイドルグループ「AIBECK」のイベントまで、ジャンル・イベント形態も多種多様。フロア100名(ライブ70名)の小箱ながらも音響設備にこだわりメインシステムはLINE6を起用。バンドセット&73鍵NORDキーボード等完備で、デジタルも生音系もOK。
渋谷NOSTYLEへのお問い合わせ
渋谷NOSTYLE公式サイト
渋谷区道玄坂1-13-2 宝ビルB1F
TEL:03-3462-4375
ブッキング・ホールレンタル受付中

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 渋谷NOSTYLE編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

渋谷NOSTYLE店長 坂本直也氏

本日は渋谷NOSTYLE店長の坂本直也さんにお話をお伺いします。ドープな出演者が集まっているという噂を聞いています。まずは、オープンの経緯をお願いします。

2003年オープンで今年15周年です。僕、それしか知らないんです…(苦笑)。

何かあったのですか?

実は2016年にバイトで入ってから、たった半年で店長になってしまいまして、もうわけがわからいまま、今この状況にいるんです。

唐突な展開ですね…、何か事情があるのでしょうか?

きっかけは、前店長が結婚してお店をやめてしまったことによるものですが、後任がいないということで、前店長、オーナー、マネージャーの三人による推薦もありますが、半ば強制的に決定が下されまして(苦笑)。当時は全くのペーペーでしたし、おそらく現在の渋谷界隈の小箱のクラブ・ライブハウスで最年少店長だと思います。

今、おいくつになるのですか?

25歳です。

若くして大変なポジションになられましたね(笑)。実際、店長になられてからはどうですか?

スタッフがみんな年上で、お店に入った店歴も僕が1番浅いので、それはもう、当然のごとく「やりにくさ満載」でした。

なかなかの苦境でしたね(笑)。

完全に修行だったと思っています。

では、あらためてお店の特徴をお聞かせください。メインのジャンルはどのあたりですか?

ジャンルは多ジャンルです。夜はレギュラーでヒップホップやDJイベント、ライブイベントなど、デイタイムは王道のバンドイベントから歌い手さんやニコ生界隈のイベントやアイドルイベントまで、結構な数が入っています。全体的にはバンド系はちょっと減ってきているかなと思います。

コアな部分とともに、新しいジャンルやイベントにも挑戦中

NO STYLEと言えば、コアな人たちが集まっているイメージがありました。

オープン当時は、そんな雰囲気だったと聞いています。その頃は自分はいなかったんですけど…。今はその部分も残しつつ、新しいジャンルやイベントにも挑戦している最中です。

アイドルイベントとなると、このドープなイメージの箱がアイドルファンで盛り上がるのですね?

そうですね(笑)。僕も、最初ミスマッチかなと思いましたが、やってみると「なくもないな…」と思いました。アイドルファンの中には、このお店を気に入ってくれるお客さんもいますよ。

サウンド面はどうでしょうか。

LINE6を使っているのでデジタル音には強いです。今はパソコン(から音を出力する)を使うDJなどが多いので、そのあたりのプレイヤーさんとの相性は抜群にいいですね。コンパクトなスピーカーの割には強さもあります。

ところで、「NO STYLE」の立ち位置としてはライブハウス、それともライブバーのどちらでしょう?

そこは際どいところですね。一応ライブハウスらしく、再入場は禁止としていますが、エントランスのサジ加減はイベントの主催者さんに任せている部分もあって、イベントによって色々です。

入場に対する制限をあまり厳しくしたくないというのが正直なところですか?

そうですね。お店としては再入場不可ですよ、とは言っていますが、実際、店内に長く居たくないお客さんもいるだろうな…、というのが僕らの本心でもあります。

お客さんに快適に楽しんでいただくことを優先しているのですね。

そうですね。お客さん、出演者のみなさんに不便なく使ってもらいたいです。箱貸しについても、どんなことでも相談にのりますよ。ここのバーカウンターの横も、カーテンを閉めれば楽屋になるので、アイドルイベントでは簡易的な着替え場所としても使えますし、もちろん控室にもなります。狭いスペースですが心地よく使っていただきたいです。

アイドルイベントの主催者の方の口コミで広がってきている

ブッキングはどのような感じでやっていますか。

バンドやDJさんには昔からの繋がりで今も出演していただいています。アイドル系の方は、うちでイベントをやってくれた主催者の方たちが、アイドルイベント界隈に「NOSTYLEは良いぞ」とすすめてくれて、そこから広まってきている感じです。

口コミの影響力が大きいのですね。

そうですね。それと、駅から近くて、なんだかんだ渋谷最安値…という評判もあるので、そんな諸事情も加味されて良い箱として認知してくれているのかもしれません。キャパはそんなに広くないけれど、逃げ場もありますし、好きなように使ってもらいたい箱です。

では続いて、坂本さんのこれまでの音楽の歩みを聞かせて下さい。

僕は出身が福岡で、地元にいるころレゲエに出会い大好きになりました。「この音楽やったらモテるんじゃねえ!?」なんて思い、17歳ぐらいからレゲエDJを始めました。

影響を受けたアーティストは?

ジャマイカのレゲエアーティストMavado (マヴァド)や、ダミアン・マーリー(ボブ・マーリーと1976年のミス・ワールドシンディ・ブレイクスピアとの子供)などに影響を受けたと思います。

その後、上京したきっかけは?

僕のいとこが東京でキックボクシングをやっていたのですが、彼の入場シーンのPV映像を見て衝撃を受けまして。「映像やりてえ!」と、そのままのノリで、20歳で上京してデザイン・映像系の専門学校に入りました。

そういう勢い、大切ですよね。映像系のプロを目指して活動を?

はい、専門卒業後もフリーで映像制作やDJをやりながら、居酒屋でも働いていました。そんな中、DJや映像だけで食うのは難しいという現実を知りました。

坂本さんの若さだと、まだまだこれからだと思いますが…。NOSTYLEにはどのような経緯で入ったのですか?

専門学校の人から「ハロウィンイベントをやりたいんだけど、おすすめの箱を教えてよ」と頼まれたことがあったんです。それで、条件に合いそうな箱を探しているなかで「NOSTYLE」を見つけたのがきっかけですね。自分のイベントもここでやってみたいなと思いました。

イベントで利用したことがきっかけだったのですね。

そうなります。それで主催イベントを打っていたら、「うちで働かない?」と声がかかって、気付けばもう店長という…。

最初の話につながるのですね。映像やイベンターから箱の店長とは展開が急すぎます(笑)。

いや、最初は「マンスリー(スケジュール)のデザイン、フライヤーの依頼をやってくれないか」という話から始まって、僕はデザイン担当ということで(お店の)現場には出ないという話だったんです。それが入ってフタを開けたら、おもいっきり出勤させられましたし(笑)!

年の功ともいうべき巧みなスカウト(笑)。それも坂本さんの能力が認められてのことですね。それでは最後にNOSTYLEからメッセージをお願いします。

なにせ、僕は大抵のお客さまより年下ですから、絡みやすいと思います(笑)。友だち、子供的な感覚の店長として扱ってくれれば幸いです。イベント利用についても、どんなことでも相談していただければ、できる限り対応いたしますので、ぜひ気軽にご利用いただきたいと思います。

リラックスムードの取材が読者のみなさまにも伝わったでしょうか。本日はありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽(取材日 2018年1月)

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渋谷駅西口(JR・京王井の頭線)
渋谷の「西の玄関口」である道玄坂一丁目エリア。渋谷マークシティ南側からR246の間に広がる一体は、昔なつかしい雰囲気が残る「渋谷中央街」。キャッチフレーズは、渋谷の「おいしい」は、ここにある。渋谷中央通り、ウェーヴ通り、その間をつなぐ小さな路地の雑居ビルに、味のある大衆居酒屋・飲食店がひしめく。かつて上り坂の中腹には力道山が築いた「プロレスの殿堂」があった。
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