LiveWalkerが取材したライブハウス・インタビュー特集(全111回・2013年7月〜2020年2月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.67

大久保 HOTSHOT

大久保HOTSHOTについて
「生音楽を日常化」をコンセプトに1999年オープン。アメリカンなストリートテイスト溢れる空間で、パンク、ロック、ブルース、ジャズからゴスペル、民族音楽までオールジャンルに楽しめる穴場的スポット。3階にある広い楽屋と、大久保駅北口1分の好立地、学生にも安心な良心的な料金設定でブッキングからホールレンタルまで幅広く活用できる。毎週行っている月曜日のブルースセッションナイトは音楽好きなら誰でも参加できるステージ。なかなか楽器を演奏する機会がない日常生活に「生音楽」の彩りを与えてくれる。
大久保HOTSHOTへのお問い合わせ
大久保HOTSHOT公式サイト
東京都新宿区百人町1-17-7 大久保ビルA館 B1F
TEL:03-3366-8681
03-5338-8280 (3F事務所)

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜大久保HOTSHOT編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

大久保HOTSHOT副店長 上地倫児氏

本日は大久保HOTSHOT副店長兼サウンドマネージャーの上地倫児さんにお話をお伺いします。オープンはいつになりますか?

1999年にオープンしまして、今年で18年になります。

系列店が何店舗かありますよね。運営している会社のことについて教えて頂けますか?

はい、大久保HOTSHOTの他に、系列店としてClub EDGE六本木御茶ノ水KAKADO新宿SUNFACEがあります。親会社がコンサル事業などをおこなう会社で、そのエンターテインメント事業という位置づけでライブハウスを運営しています。

どの店舗も内装が凝っていてユニークですね。

それぞれ別会社となりますが、エンターテインメントグループという形で、創業当時から「生(なま)音楽を日常化」という共通のコンセプトのもと、内装も、街灯や外壁をイメージしたような作りになっています。正確にいうと、新宿SUNFACE(2009年11月オープン)だけは、ちょっと毛色は違いますけどね。

ではHOTSHOTの特徴を教えてください。ジャンル的にはどのあたりがメインになりますか?

基本的にはオールジャンルで、アコースティックから一般的なロックやJポップ、時にはV系、メタルの時もあります。

上地さんはPAもご担当されていますが、サウンド的な特徴は?

ハコの作り的にステージとホールが近いので、基本的にはステージ上の音がそのまま強調されて外に出る形になります。「生音楽を日常化」というコンセプトの通り、無理に手を加えるより、生音をそのまま大きくする、というイメージで音作りをしています。出演する方の好みに応じて、オールジャンルで、あらゆるご要望に対応しています。

毎週月曜日にブルースセッションは来年で900回

HOTSHOTならではのイベントや企画はありますか?

特徴的なものとして、毎週月曜日に「Blues SESSION NIGHT」というブルースセッショをやっています。

ライブハウスで毎週セッションを開催しているのはめずらしいですね。

そう思います。かれこれ、もう800回以上やっていて、来年には900回になります。

900回!それはすごい。オープン当時から続いているのですか?

そうですね。会長がブルース好きなことから、毎週セッションをすることにしたそうです。

20年近くも続いているとは、多くの世代に支持されているのですね。

昔からご利用頂いているご年配の方から、若い世代の方まで、幅広い年代の方に出演していただいています。当店は新宿区にありながら価格もすごく安いですし、立地も駅から1分と近いので、学生さんのホールレンタルなどにもよくご利用頂いています。それゆえにハコとしてはオールジャンルになっています。

利便性も良く、低価格設定となると、出演アーティストにとっても魅力的です。

はい、オープンした当時から、この立地で当店くらいの料金でブッキングできるライブハウスが都内にはあまりなかったらしく、連日満員だったことも多かったようです。

近年、音楽業界も下火と言われ、不景気状態が続いていますが、影響などはありますか?

僕個人としては、若いバンドにちょっと元気がないように感じます。ここ最近2、3年前とくらべても、その世代からのレスポンスが少なくなっているのかなと思います。お誘いしても返事が戻ってこないことも増えてきて……。

これからのバンドシーンを担う若い世代に活気がないのは困りますね、原因は何だと思われますか?

パソコンやデスクトップミュージックが盛んになり、1人で音楽制作を完結できる時代になったことと、SNSが発展して、ツイキャス、Instagramのストーリーや、SHOWROOMのような動画・ライブ配信サイトから、自分だけで簡単にライブや配信ができてしまうことなどが影響を与えていると思います。

ネットの隆盛は現場の集客にも影響していると?

少なからずあると思います。若者が「生音楽」から離れてきている、と感じることが多くなりましたね。

となると、今現在ライブハウスを積極的に使用している世代はどのあたりでしょう?

やはり、30、40代以降がメインですかね。あとは、ギリギリ20代後半の人たちだと思います。その世代の方たちも、学生時代はバンバン平日でもライブをやっていたと思いますが、やはり社会人になると土日のみと、活動の幅が限定されてくると思うので……。

おのずとバンド人口は減ってきてしまいますね。多少なりとも経営にも影響がでそうです。

ダイレクトなことを言うと、少なからず影響は出ていますね(苦笑)。

では続いて、上地さんが音楽の世界に入ったきっかけをお聞かせください。楽器やバンド活動はされていましたか?

僕は沖縄の出身で、高校時代はバンドをやっていました。9mm Parabellum Bulletのコピーや、オリジナル曲もやっていました。でも正直、その頃からバンドよりPAの方に興味を持つようになっていました。

どういうきっかけでPAに興味を?

当時バンドで使っていたリハーサルスタジオのおじさんに親切にしてもらっていて。その方が2カ月に1度くらい主催するイベントに出させてもらっていました。そのイベントの際に、音響やPA、ライブハウスの仕組みなど、いろいろ教えてくれたんです。それでPAというものに興味をもち、高校を卒業して音響の専門学校に行くために上京しました。

音響専門学校在籍中からClub EDGE六本木でバイト

高校生の時点でPAの道を選んだのですね。

はい。専門学校に在学中、当社の系列店であるClub EDGE六本木にバイトで入りました。当時のEDGEの店長兼PA担当だった方にお世話になり、そこから少しずつPAをやらせてもらうようになりました。

いつごろ六本木から大久保HOTSHOTに?

2014年頃に、ちょうど専門学校卒業のタイミングで、大久保HOTSHOTのPA担当が不在になるということから、僕がこちらの店舗に異動してきました。1、2年もすると担当箇所も増え、僕が副店長兼PAとなったわけです。

今も、HOTSHOTのPAは上地さんが担当されているのですか?

はい、今でもPAは担当していますが、今は、正式なPAスタッフがおりますので、現在は、副店長の業務がメインになっています。店長はClub EDGE六本木の店長も兼任していて、主に六本木の方をメインにみていますので、HOTSHOTは副店長の僕が実質マネージャーのような感じで任せてもらっています。

それでは最後に大久保HOTSHOTからのメッセージをお願いします。

1999年オープン以来、学生さんから年配の方まで多くの方に利用してもらっているライブハウスです。これまでの経験をいかし、どなたにも親しんでいただけるオールジャンルのハコとして、これからもスタッフ一同、窓口を広くしてお待ちしていますので、ぜひ一度HOTSHOTにあそびに来てください。

上地さんの穏やかな人柄、多くのバンドマンが親しみを感じていると思いますよ。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽(取材日 2017年10月)

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大久保駅(新宿区百人町)
大久保駅
楽器のまち・百人町一丁目にあるJR中央・総武線の駅。北口改札は大久保通り(都道433号線)に面し、東隣のJR山手線「新大久保」駅まで約300m。駅スタンプの絵柄は『新宿高層ビル群と富士山』。大久保HOTSHOTへは大久保駅北口を出て右に直進1分、ラーメン博多風龍とドトールの間。
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