ライブやろうぜ! ステージファイル Vol.70

Acoustic Live bar harness

阿佐ヶ谷harness について
阿佐ヶ谷一番街に2012年9月オープン。シンガーソングライターであり、サイケデリックロックバンド割礼のベースを担当するミュージシャン鎌田ひろゆき氏がプロデュースするアコースティックライブバー。弾き語りを中心に、フォーク系、ノイズ系、音楽ジャンルを問わず、ワンマン・ツーマンを基本に普段バンドで活動するミュージシャンのソロライブやセッションも醍醐味。キャパは30人程で、生まれたての歌をゆっくり心に映し出すのにちょうどよい空間。
阿佐ヶ谷harness へのお問い合わせ
阿佐ヶ谷harness 公式サイト
東京都杉並区阿佐谷南2-18-9 ゴールドビル阿佐ヶ谷B1
TEL:03-6454-6277

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜阿佐ヶ谷harness 編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

阿佐ヶ谷harnessオーナー 鎌田ひろゆき氏

本日は阿佐ヶ谷harnessのオーナーであり、ミュージシャンとしても広く知られる鎌田ひろゆきさんにお話をお伺いします。ライブバーをオープンした経緯をお聞かせください。

オープンは2012年9月です。丸5年になるのかな。

お店のモットーや特徴について教えてください。

毎日、1組か2組のミュージシャンをじっくり聴いてもらいたいと思います。(出演ミュージシャンが多くて)あまりせわしないと落ち着きませんし。

それは音楽好きにはうれしいですね。どういったジャンルのミュージシャンが出演されていますか?

弾き語りのアーティストがメインです。防音がなくドラムが置けないのでバンドものは無理ですが、ノイズ系フォーク系ギターインストの方もいますよ。

ドラムは無理だとしてもノイズ系は大丈夫なのですか?

音量というより振動の方が問題で、上階のお店がマッサージ屋なので、振動音だと施術に影響しちゃって駄目らしいんです。ギターだったら音量があっても振動にはなりにくいので、ノイズ系の演奏でも苦情までは来ないですね。ああ、来たこともありますけど(苦笑)。

なるほど。ドラムの(低音の)振動が問題なのですね。

そうですね。偶然ですが、店のつくり的にも響きが良くて鳴りが良くて、振動以外は文句を言われにくいから、結構な音を出せますよ(笑)。

harness出演者やお客さまの年齢層はどのあたりがメインですか?

30代から上のベテランミュージシャンが多いかな。自ずとお客さんもそのぐらいの世代になります。

鎌田さんは、ミュージシャンとして活動されていますが、ライブバーを作ろうという構想があったのですか?

漠然とだけど、前からアコースティック弾き語りのライブバーをやってみたい、とは考えていて、そんな折、たまたまこの物件がみつかったので、やってみることにしました。

実際オープンしてみてどうでした?

大変でしたねえ(笑)。

毎月20本はライブが入ってる。ブッキング担当は僕一人

どのあたりが大変だったか、具体的に聞かせてください。

やっぱりブッキングですね。こういう場所(ロケーション)だと、飲みに(お店に入って)きてもらうのはなかなか難しくてね。バーだけの営業というのは、ほとんどやっていなくて、月20本ぐらいはライブが入っているんですよ。

20本ものブッキングは鎌田さんがお一人でされているのですか?

はい、ブッキングは僕1人。

それでは鎌田さんの仕事量が尋常ではないかと…。

はじめは簡単に考えていたんだけど…(笑)。バータイムや他の業務の多くは手伝いのスタッフにまかせています。でも、ブッキングは毎月のものだから、ボディーブローのように効いてくる(苦笑)。

それでも月20本のスケジュールは埋まっていますね。

まあ、レギュラーで出演してくれているアーティストもいて、そこは助かっている部分ですね。あと僕自身も出演するので、自分で埋めることもありますよ(笑)。

ブッキングについてはどのお店も悩み多きところだと思います。ブッキングの方法をお聞きしてもよいですか?

僕の場合は、僕自身が弾き語りや、ベーシストとしてバンド活動している関係で、横のつながりが主だったものかな。もちろん、直接連絡してオファーしたり、知人からの紹介だったりもあるけれど。

開店にあたって、たとえば資金面での苦労はありましたか?

ライブバーという形式だったので、そこまで大変ではなかったかな。主な初期費用は家賃だけど、普通のマンションを借りるのと同じで家賃の6か月分用意すればよかったので。でも、ライブハウスだったらそうはいかないでしょうね。音響の工事や、防音設備も必要ですから。ちょっと個人ではハードルが高いよね。

バーカウンターや内装など、費用がかかりそうな部分もありますが。

この物件を居抜きで借りたので、そのまま引き継ぐだけでした。前はガールズバーだったので、お洒落なソファーなど、なかなか良いものが揃っていて(笑)。壁は自分で色を塗り直したし、L型のカウンターも自分で改造して、主にお金をかけたのは音響機材だけです。

それはちょうど良い物件を手にしましたね。

はい、最初から居抜きを狙ってました(笑)。キャパも30人ほどの規模感で小回りがきくし、手作り感=自分で作っている、という感覚がありますね。

割礼に入ったのは最近ですね。…て、17年前だから最近でもないか(笑)

では次に鎌田さんの音楽活動についてお伺いします。現在、「割礼」のベーシストとしても活動されていますが、割礼に加入された経緯を教えて頂けますか。

元々僕自身は、弾き語りというかシンガーソングライターの活動がメインなんですよ。割礼のメンバーには僕のバックバンドをやってもらっていて、割礼のベースさんが脱退されると言うので、僕がベースとして加入して。だからベースは割礼でしかやっていません。

音楽活動をはじめたきっかけについて教えてください。

僕は三重県四日市の出身ですが、当時の学生時代に弾き語りが流行っていて、その流れで僕もなんとなく始めたという感じかな。

影響を受けたミュージシャンは?

ブルース・スプリングスティーン、浜田省吾さんなどシンガーソングライター系が好きだったね。だから僕の活動もずっと弾き語りメインだった。

どのようなアーティスト活動を続けてこられたのですか?

今56歳になるけど、26歳の頃にソロでメジャーデビューして上京してきたのですが、まあ全然売れなくて(苦笑)、それからずっと30年ぐらい弾き語りをやっています。バンドとして割礼に入ったのは最近ですね。…て、17年前だから最近でもないか(笑)。

アーティスト活動とライブバー経営を通じて、最近の音楽業界についてどうお感じですか?

音楽をやる人が多くなったと思いますよ。特に若い人も増えたんじゃないかな。この店を始めることで知り合ったミュージシャンがたくさんいて、その数に驚きました。こんなにいるのだなあと。

不景気などはマーケットの話だけで、音楽そのものは生き続けているのですね。

そうですね。こういうライブバーも増えているし、音楽そのものは形を変えて生き残っているんじゃないかな。ただ、お店自体が「どう生き残っていくのか?」が大変なことだけどね(笑)。

お店にとっては競争相手が増えるわけですからね。

そうそう。中央線沿線はとくに多いですよね。なので、この辺でやりたかった。渋谷、吉祥寺、下北沢という激戦区は個人でやり抜くにはむずかしい地域でしょうから。

一駅ごとに文化が変わるのも中央線沿線の魅力ですよね。それでは最後に阿佐ヶ谷harnessからメッセージをお願いします。

生の音楽を体験するにはちょうどいい規模のお店です。良い雰囲気ですので、スッとドアを開けて入ってくればすぐに生音楽のすばらしさを体験できます。気軽に来てください。そして…、お酒はとっても濃いですよ(笑)!

お酒が濃い! さすがライブ現場で最も大切なことを押さえてらっしゃる(笑)。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2017年12月)

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阿佐ヶ谷(杉並区)
けやき並木にジャズが響くまち。高円寺と荻窪の間にあり、新宿からJR総武線で11分、中央線快速で8分(平日のみ停車)。発車メロディーは『阿佐谷七夕まつり』にちなんでJAZZアレンジの「たなばたさま」。駅を出れば、北口のスターロード、南口のパールセンター、個人商店が並ぶ一番街、高架下のダイヤ街とゴールド街は2017年「Beans」に生まれ変わった。中杉通り(都道)が南北を貫き、車でのアクセスも便利。
割礼(バンド)
83年名古屋で結成されたロックバンド。80年代、関東エリアにおいても前衛的なパンクバンドとしてその存在が伝聞により伝えられ、コアなリスナーからインディーズシーン創生期を代表するバンドの一つとして知られている。その活動は現在も宍戸幸司(Vo)を中心に脈々と続いている。2018月2月28日吉祥寺PlanetKにて2マンライブ開催。
割礼公式ホームページ
阿佐ヶ谷駅