ライブやろうぜ! ステージファイル Vol.16

下北沢 music bar rpm

下北沢 music bar rpm
下北沢rpmについて
2008年「COLORED JAM」として下北沢にオープン。2014年1月の店内改装に伴い「music bar rpm」としてリニューアル。月・火曜日の定期セッションをはじめ、全ての営業日でライブが組み込まれる音楽メインのバーとしてとしてフル回転中。お酒やフードの美味さも大好評。rpm(アールピーエム)とはアナログレコードの回転数を表すrotation per minute(回転毎分)の略。
下北沢rpmへのお問い合わせ
下北沢rpm 公式サイト
世田谷区北沢2-7-5 プラッツ下北沢B1
TEL:03-5454-0179
営業時間:19:00~翌5:00
下北沢rpm

Live Bar の中の人に話を聞いてみた〜下北沢rpm編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

下北沢 music bar rpm 社長 久保 大英氏
@twitter / Facebook / BLOG

本日はライブウォーカー中の人インタビュー企画初のライブ・バー取材として「下北沢rpm」の久保大英さんにお話をお伺いしたいと思います。まずはライブバーを始めたきっかけを聞かせてください。

自分も含め、周りにはバンドをやってる人間が沢山居たんですが、ライブハウスに出るにはチケットノルマがかかってしまうお店が多かったし、自分自身もそういうところで多くライブをしていました。自分もノルマを払ってライブをする事に苦しんでる時期がありましたし、お金を出してライブをしてるってのは「意味がないかな?」とも思いました。なので、自分達(お店)とアーティスト(ライブ出演者)が協力してお客さんを呼ぶお店を作りたかったんです。

BARの営業主体というよりは、最初からライブ演奏ありきとして立ち上げたと?

完全にライブありきですね。夜中はバータイムとしてやってますけど、基本は音楽ありきでやっています。

ライブバーという形態だと、ある程度ジャンルは集約されてきますか?

ジャンル的にはロック、ファンク、ジャズ、ボッサ、ロカビリー、アイリッシュ、ジャムバンド系が多いですね。ウチは高台(=ステージ)がないし爆音が出せるわけでは無いので、パンクであったりハードコアやメタルなどの人達にとっては楽しくないかもしれませんね。

ライブバーでのメタルも見てみたいですけどね(笑)。ヘッドバンキングで音が小さいって根性で乗り切るしかない現場に違いない(笑)。ちなみにライブ頻度はどれくらいですか?

毎日やってます。ライブをやってかないことには店をやっていけませんので。ここは常にライブをやってると認識されている店なので、普段のライブタイムにライブが無いからといってバータイムに変更したとしても誰も来ません。

それは意外ですね。普通に飲みにくるものだと思ってました。

そういうもんですよ。飲む目的だけで来るって人はのはライブ後23時以降ですね。ライブタイムとバータイムは全く別物で、いうなれば二つの店を一緒に経営している感じです。

どこのライブバーよりもお酒を美味しく提供します。ぜひ、カノウプスドラムのキットも叩いてもらいたい。

ライブタイムとバータイムでは客層も違ってきますか?

そうですね。バータイムは以前は年輩の方が多かったですが、最近は若い人も来るようになり、20~60代のオールエイジになってきました。ライブタイムは出演者によって客層が変わってきますね。

ライブハウスに比べると、バーの方が気軽にお店に来てもらえるイメージがありますが、集客具合は如何なものでしょうか?

やはりアーティストさんが自分たちでお客さんを呼んでくれる努力はしていただかないと厳しいところはありますね。ただウチは基本的には10枚目からチケットのチャージバックをしているので、呼んでくれた分だけアーティストさんも潤うようになっています。

それはライブバー全般にあてはまる事なんですかね?

rpmではそうしてますが、最近はチケットノルマなしでチケットバックする店も多くなってると思いますよ。やっぱり、ネームバリューのあるところや、出演することに価値のあるバーやライブハウスさんは今まで通りノルマ制でやっていると思いますが、ウチみたい店はノルマはとらないスタイルでないと生き残っていけないと思います。

そういったライブバーが増えてきた中で、rpmの「売り」はどんなところだと思いますか?

どこのライブバーやライブハウスよりも、絶対に酒を美味しく提供できます! バーをやってる人間が出しているものなので、そこは自信がありますね。音響などに関しては、僕自身がドラマーだったこともあるので、是非ともこのカノウプスドラムのクラブキットをたたいてみてもらいたいです。

加えて僕の印象では、非常に食べ物が美味かったです(笑)。

美味しいと思いますよ(笑)。ライブに来てくれるお客さんも普通に食べてもらいたいです。あとウチの特徴としては、毎週月曜と火曜にセッションをしているのですが、それが結構盛り上がるんですよ。

出演バンドすべてを最後まで観ていってもらいたい。そして、ちゃんと飲んでいって欲しいですね(笑)。

セッションの主催はrpm?

外部の方に頼んでます。第何週の何曜日は○○さんといった感じで定期的にお願いしています。定着するまで時間はかかりましたが、火曜日などは毎回30人くらいお客さんが来てくれるようになりました。rpmのキャパだと30〜40人くらいがベストなんですよね。それ以上の人数だと、狭くなっちゃって不快になっちゃうこともあると思うので。

普段のライブも主催は外注にしてるのですか?

ウチはブッキングはしないんですよ。企画かワンマンにしてもらってます。何かしらで繋がってる人達同士のイベントでないと、お目当てのバンドが終わると皆帰ってしまうんですよね。ウチらはライブハウスみたいにブッキングしてノルマをとるというスタイルではなく、飲み代で稼いでいるので、お客さんには出演者すべてを最後まで観ていってもらいたいという部分も含め、ちゃんと飲んでいって欲しいですね(笑)。

しかし本格的なバーも兼ねているとなると、泥酔する人も多そうですね。

いらっしゃいますよ。まあ、そういう方は終電で帰れるよう駅まで送っていったりしてます(笑)。演者さんが、セッションでテンション上がって沢山飲んじゃうってのは良くありますね。泥酔する方は、飲み目的だけのお客さんよりライブの時のお客さんの方が多いです。

親切に追い出してると(笑)。さて、続いてセッションの話にさせてもらいます。セッションのイメージって、今の30代以降の人達が隆盛期だった感もあるのですが、今の10代や20代の人たちも参加することはありますか?

10代20代の人も来ますよ。もちろん明らかに若そうな子は年齢確認しますけどね。今度も月曜のセッションに21才くらいの子がセッションホストとして立候補してくれましたし、やっぱりそういう時は来るお客さんも相当若いですね。演奏力も相当レベル高いですよ。テクニックなんて僕の10倍くらい上手いですから(苦笑)。

それは意外ですね! 僕が最近回ってきたライブハウスなどでは、若い世代は打ち込みやデジタル機器の出現によって、良くも悪くも演奏よりエンターテインメントに力を入れる風潮があったので。

演奏のテクニックは圧倒的に上がってますね。ただ、記憶に残るかどうかは別です。「良いなあ」とはならないんですよね。「上手いなあ」で終わってしまう。メッチャ上手いのに、なぜか何とも思わないんですよ。

それはジャズ系?

いやもう何でもやりますよ。ロックもファンクもジャズも変拍子も何でも出来ますから! 僕らの時代はビデオ買って、CD買って、楽譜買ってっていう風に勉強してましたけど、今はネットでしたい放題じゃないですか!? 良い教材は沢山ありますよ。でも傾向としては“没個性”なんですよねえ。

そうなんだ(笑)!? エンターテインメント班と演奏班にきっちり分かれてる世代なのかな?ひょっとしたら個性というのは、模索時間や無駄と思える時間に養われるのかもしれない。

並列化されてるイメージがありますね。平均点だけ上がってる感じです。「理科はメッチャ賢いけど国語は糞アホ!」ってタイプがいないんですよ。

セッションていうのは、現場の人と会話などを楽しんで和が生まれるもの。演奏が上手いだけでは仕事は来ません。

プロの世界だと一芸タイプの方が生き残ることは多々ありますね。

圧倒的な何かを持った人達ってのは少なくなったと思いますね。酒も飲まないですし。

あぁ、飲まなそう…。

セッションってものをちょっと勘違いしてるのかなと思うんですよ。仕事貰おうとしたりとか、誰かに誘ってもらおうとして、もうホントに“ちゃんと”演奏しちゃうんですよね。セッションていうのは、現場の人と会話などを楽しんで和が生まれるものじゃないですか!? 仕事なり何なりってのは、その後での話なんですよ。そんな真面目に演奏して何が面白いのかな?って思うんです。

それはミュージシャンに対して真摯な意見ですね。まあ飲めないだけの人もいそうですけど(笑)。

勿論、飲めない人もいるんでしょうが「演奏が出来なくなるから飲みません」なんてのはどうでもええやんってなりますよ。別に酔わなくてもいいですけど、まずは楽しく人と交わることが第一ですから。それらを無視して仕事貰おうとするのは、求めてるものが高すぎですって! それこそ誘われるはずが無いんですよね。上手いだけの人なんて腐るほどいますから。上手いだけでは仕事は来ません!

セッションライブって、仕事の接点を求めてくる人も結構いるんですね!? 僕自身はそういう目で見ていなかったので、ちょっと意外でした。

特に若い子には結構多いと思いますよ。中には遊び目的で来る人も居ますけどね。自分の技術をプレゼンしにくる人が多くなったとは思いますが、お客さんは楽しみに来てるのであって、プレゼンを見に来てる訳じゃありませんから。

セッションの醍醐味的には、好きなように遊んでる人の方が現場は盛り上がりそうですね。

盛り上がりますね。こういう現場でやっているわけで、会議室で演奏してるわけじゃありませんからね。酒飲んで何ぼですよ。飲んで皆で演奏して楽しんでもらう。一期一会じゃないですけど、人と人との接点として使ってもらう。まさしく「ルイーダの酒場」ですよ!

ドラクエ出た(笑)!

いやまさにドラクエですよ! ここでセッションした面子がバンドを組むこともありますし、バンドを組んだなんて連絡くると本当に嬉しくなるんですよね。ここで仕事しててよかったなあって思います。

ウチの店は音楽ありきのライブバー。音楽に興味のある人、演奏してみたい人にぜひ使って頂きたい。

ライブハウスのスタイルだと、演る側と観る側にしっかり分かれますし、演る側同士でも絡みは少ないですからね。ライブバーだと確かにそのすべてが交わることが多そうです。

そうですね。交わりますからこそ休憩タイムもとっているんです。その間に喋ったりすることも出来ますし。

飛び入り参加もやりやすいでしょうから、その場で新しい音楽を生み出すって楽しさもあると思います。現場で何でも作れると思うと…、汚いものも全部出しつくして作って欲しいと思いますね(笑)。

そうなんです! 自分を出さないと駄目なんですよ!ウチのセッションの良さってのは、ホスト役も僕がしっかり選んでますから、演奏力もあるし良い演奏も出来る人を呼んでいます。せっかくこれだけ良いセッションライブが出来る所で、プレゼン的な演奏になっちゃうのは勿体ない!

ビシっと言ってくれましたね! それでは最後にメッセージなどありましたらお願いします。

ウチの店は音楽ありきの店なんで、音楽に興味のある人、演奏してみたい人には是非使って頂きたいと思っています。電話でもメールでも、はたまた直接お店に来ていただいても良いので、どんどん利用して下さい。

今までライブバーの楽しみ方や魅力を知らなかった方達にも伝えられる貴重なインタビューになりました。本日はありがとうございました。

ありがとうございました!

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2014年6月)

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ライブ・バー
アルコール類やおつまみ・軽食が用意されたBARに楽器演奏や歌唱ができるステージスペースを設けたお店の総称。ライブハウスがライブそのものを楽しむ場所であるのに対し、BARをメインにしながらライブ演奏を聞いたり、演奏に参加したりして音楽とともにお酒やスナックを楽しむ素敵な空間。演奏のクオリティと合わせて、お店全体の雰囲気やBARを楽しむお客様へのもてなしといった意識も持ちながらステージに挑みたい。
カノウプスドラム
打楽器を中心とした国産(東京都)の楽器メーカー・カスタマー(CANOPUS Co.,Ltd.)特に同社のドラムは国内海外の多くのロック・ポップス・ジャズ・AOR系のドラマーに愛用されている。また、佐野康夫、河村智康など、ビッグアーティストのレコーディングやツアーで活躍するミュージシャンからの信頼も厚く、とりわけ音楽性を重視するJ-POPアーティストのサウンドとして欠かせないブランドとなっている。
チケットノルマ
ステージで演奏するにあたって、出演者が最低限売りさばくことを求められるチケット枚数のこと。通常20枚〜30枚程度とされている。ライブハウスによりノルマの枚数やチケット価格は様々である。「ノルマ」と言われているのは、この枚数を売りさばけない場合は、出演者自身が負担(ノルマ分のチケットを買い取る)する場合があるためで、このことの是非がしばしばライブハウス・出演者など関係者の間で話題にのぼる。
チケットチャージバック
一般的にチケットノルマ(※上記参照)を超えたチケット代金の売上の何割かはチケットを販売した出演者に支払われることになり、これをチケットチャージバックと言う。通常はこれが出演者のギャランティとなる。そのため出演者としてはブッキングや対バンの多いイベント等では、なるべく前売りでチケットを販売するか、当日チケット販売の場合でも、チケット購入時に目当てのバンドを伝えてもらうことが必須。そういうわけで、応援しているバンドがある場合は、ぜひとも前売りチケットを購入しておきたいところ。
ブッキング
ライブハウスやイベント制作者が企画して出演バンドを集うこと。一般的なライブハウスで行われているライブの70%程度がブッキングライブである。ブッキングは箱の特色や運営そのものにおいて極めて重要であり、人気や魅力、集客力のあるバンドやアーティストを集めるのはブッキングマネージャーの腕の見せどころである。また、同じライブイベントでも、主催者がライブハウスやスペースを貸し切って利用する場合は原則的にブッキングライブとは呼ばない。
セッション
複数人の楽器担当者が即興的に演奏を行うこと。通常ライブハウスで行われるライブは、事前に演奏曲目が決められ、リハーサルを行った上で演奏されるが、セッションの場合は、原則的に事前の準備や打ち合わせなく、おおまかなテーマ・ジャンルなどが決められるだけで、ぶっつけ本番でアドリブ演奏が展開される。即興的なシチュエーションでは、他の楽器演奏者に触発された思わぬフレーズや、奇跡的なプレイが生まれることがあり、レコーディング等の音楽制作の過程においてもセッションによる演奏が導入される場合も多い。
セッションホスト
ライブハウスやライブバーにおいてのセッション演奏やイベントを取り仕切るミュージシャン、またはバンドのこと。全体の音楽性や流れを考慮し、演奏をサポートするリーダー的存在。若手ミュージシャンが勉強のために引き受けることもある。演奏技術はもちろん、ミュージシャンや参加者(お客)とのコミュニケーション能力が必須であり、全体的な視野とバランス感覚が求められる。