怪奇!セッションの謎 第1話
『現場に蔓延するファンク&ソロ回し』
まずは「セッションってなに?」というところから入りましょう。
といっても、音楽については完全現場主義のワタクシ。学者でもないし立派な学校を出たわけでもないので、アカデミックな論議をするつもりはございません。(昔からケンカを売っては逃げるタイプです。)
20年近いワタクシの音楽活動から判断するのであれば、セッションというのは『曲を決めずに即興で演奏すること』を意味します。基本的には『自由』がテーマになっています。要するに、「その場で何となく音出して楽しもうぜ」ということですね。
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一般的なセッションでは、まず音階(キー)を決めます。そして、最初に音を出し始めたプレイヤーのリズムやフレーズに合わせて、それぞれの楽器パートが各々自由に演奏をかさねていきます。上物系パート(ボーカル・ギター・キーボード・管楽器)のプレイヤーは、相手のフレーズやアドリブに呼応する形で、合いの手のような演奏をしてセッションを盛り上げます。特に細かな決まり事は無いので、基本的にはリズムにあわせて楽器を奏で遊ぶ、といった感じです。
また、ある程度演奏が出来るミュージシャンが集まるセッションでは、『ソロ回し』と呼ばれる、担当楽器のソロを順番に披露するパートが入ってくる場合があります。こういったセッション演奏が原型になり、良いアイデアが出来たら曲に仕上げていくこともよくあることです。
このセッションというものが、ジャズからロックまで多種多様なジャンルのミュージシャンたちによって、音楽スタジオやライブハウスで日々繰り広げられています。
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これを聞けば、たいそう「気楽で楽しそうだ」と思えるじゃないですか? しかし近年! セッションの現場に、色々ルールというか縛りが増えてきていて『お気楽なセッション現場』が少なくなってきているのです。
ずばり、その理由は『どこの現場に行ってもファンクミュージックとソロ回しばかりになっている!』ということです。もしくは、そうでないプレイをしても、結局はファンクとソロ回しに誘導されてしまうということです。これらの現象が今現在、多くのセッション現場でおきているのです。
この現象を紐解いていきましょう。
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まず、多くのセッション現場では、卓越した技術をもつ「うまいミュージシャン」が集っています。彼らは音楽の見識が深く、多様なジャンルの演奏技術を持っています。
当然、ヘビーメタルやパンク的な表現をしてもよいはずですし、そもそもセッションというのは、ジャンルに関係なく、その日の気分で、その場で感じた音を適当に出してもいいはずです。
しかし、どうにもこうにも、いわゆる「うまいミュージシャン」という人がファンクやソロ回しを推奨してくる傾向があるのです。何かと“曲っぽく”したがるのですね。
いくら主催者が「自由にいきましょう」と謳っていても、集まった音楽通によってファンクセッションに固められてしまう事もしばしば…。
これでは、ファンク好きな人、ソロが出来る人、曲のように仕上げられる人たちしか楽しめない現場になってしまいます。もちろん、ファンク・ソロ回し自体に罪はありませんが、これらで独占されると色々な不都合が起きているのも事実! では、その不都合とは一体なんなのでしょうか?
次回はその不都合の実態に体験談とともに迫ります。
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セッション恐怖体験談