ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.75
大塚 MEETS
- 大塚MEETSについて
- 2008年6月、JR大塚駅南口より徒歩2分、天祖神社近く(旧大塚CAVEの場所)にオープン。都内を中心にリハスタやライブハウスを展開するリンキィディンクスタジオが運営。RDSならではの音響へのこだわりと、スタンディング120名・椅子50席の使いやすいキャパ、「アマチュアバンドの登竜門」的カラーを全面に打ち出し、学生バンドや若手バンドが数多く出演。スタッフ、お客さん、出演者の距離が近いアットホームな雰囲気で、若い世代のバンド文化発展の一翼を担っている。
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- 大塚MEETS公式サイト
豊島区南大塚3-50-1 B1
TEL:03-6303-3226
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 大塚MEETS編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日はRinky Dink Studio系列ライブハウスの大塚MEETS店長の長谷部祐樹さんにお話をお伺いします。まずはオープン前後の経緯をお願いします。
2008年6月のオープンなので、今年(2018年)の6月で10周年になります。以前ここには「大塚CAVE」というライブハウスがありましたが、その物件を居抜きで当社が引き継ぎましてスタートしました。僕は2代目の店長になります。
お店の特徴を教えて下さい。
同じ系列店でもある新宿JAM(2017年12月31日クローズ)の流れを汲む店としてオープンしたので、知っている方にとってはJAMの雰囲気を感じるかもしれません。出演バンドのジャンルや音質によるところも大きいと思うのですが、ライブハウスの今後を考えると新宿JAMの後継、みたいになってしまうのも、それだけでは駄目だなと思っていて、ここ数年は大塚MEETS独自のカラーをうち出していくよう努めているところです。
新宿JAMといえば都内屈指の老舗、ハードコアの聖地といった印象ですが、大塚MEETSのカラーを具体的にお願いします。
キャパ的にも小規模なので、「アマチュアバンドの登竜門」のようなライブハウスを目指しています。学生バンドさんは「まずはMEETSでやろうぜ!」と思ってほしい、そういう立ち位置でありたいですね。
アマチュアバンドの登竜門としてのMEETSカラー、浸透してきましたか?
はい、おかげさまで今は学生や若手バンドの出演も多く、オールジャンルで出演していただいております。
近年、大塚は学生のバンド文化が盛んだと聞いていますす。MEETSさんもその一端を担っているのですね。
そうだと嬉しいですね。
音響のこだわりやサウンド面はどうですか?
メインのアウトスピーカーにTURBOSOUNDを使っています。当店くらいの規模のライブハウスには有り余るほどの大きな音が出せるので、かなり攻めたサウンドを出しています。それでいて、高域のサウンドもしっかり分離されて聞きやすい音が作れるので、どんなジャンルの音もきれいに聴こえます。
アマチュアバンドの登竜門のようなライブハウス
ステージはかなり奥行きがありますね。
はい。その奥行きのおかげで、中音(なかおと)もしっかり聴こえますし、ステージは使い勝手がいいと評判をいただいています。「アマチュアバンドの登竜門」としては、出演者さんに、機材の使い方やライブのやり方というものを実践で学んでいただければ幸いです。
ステージからつづくフロアの天井の形もユニークです。
レンガ造りでピザ窯のような形をしていますよね(笑)。MEETSの前の大塚CAVE時代からのものですが、イギリス・リヴァプールの「Cavern Club」という、ビートルズも出演していた有名なライブハウスをイメージして作られたようで、吸音の仕方も独特なものになっています。
これは鳴りがとても気になりますね。
この天井がもたらす音質も売りですので、ぜひ体感しに来てほしいですね。
友達がゴミ捨て場からエレキギターを拾ってきた
それは続いて、長谷部さんと音楽の出会いから、音楽業界に入った経緯について教えてください。
楽器を始めたのは高校2年生です。それまでは、ずっとサッカー部だったんですが、新設校で先輩がいない高校でして、それぞれ部活も自分たちで作っていたんです。そんな流れの中、軽音部を作った人がいて、彼が登校中にゴミ捨て場からエレキギターを拾ってきて、「ギターやらない?」と声をかけられたことがきっかけで音楽を始めました。
ゴミ箱で拾ったギターが長谷部さんの音楽人生のスタートだったとは(笑)。
僕は高校が杉並区でして、都心ということもあって色々なモノが落ちていたり、捨てられていたりするんですよね。もちろん今は新しいギターももってますよ(笑)。
そのギターを拾ってきてくれた方とは、その後も活動を?
彼とは今もバンドをやっています。あの時、声をかけられなかったら音楽はやっていなかったと思います。
バンド結成時はどのような音楽をやっていたのですか?
高校時代は、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTなどのコピーバンドをやっていました。その後、大学のサークルでもコピーバンドをやっていましたが、大学3年生の終わりごろにオリジナルバンドを結成しました。
オリジナルバンドではどんな音を?
在学当時は、syrup 16gやNUMBER GIRLみたいな、ちょっとロキノンっぽい感じのサウンドでしたね。先輩がここ(MEETS)に出演していて、その紹介で僕のバンドも大塚MEETSでライブをやっていました。あ、ちなみに、今はオルタナやグランジ系の、ちょっとうるさい感じのバンドをやっています(笑)。
長谷部さんの風貌からロキノンはちょっと想像できなかったので少し腑に落ちました(笑)。
ですよね(笑)。
それで、大学卒業後は、そのままMEETSのスタッフに?
いえ、大学の卒業前から、しばらくは「音楽でなんとかなりたい」という淡い思いがあったので、就職活動はほとんどやらずにいました。卒業後の1年間はフリーターをしながらバンドをやっていましたが、結局、バンドも解散してしまって。
バンドだけで身を立てるのは相当なことですからね…。
ええ…。でも、そのタイミングで、バンドとして出入りしていた大塚MEETSの当時の店長さんから「うちで働かないか?」と誘っていただいたんです。2012年頃ですかね。このままコンビニでバイトをしていてもしょうがないし、もしかしたら新しいバンドを始められるかも…、という思いもあって、まずはホールスタッフとしてアルバイト入店しました。
確かにライブハウスにいれば、音楽との出会いは増えますし、理想的な環境の一つだと思います。
そうなんです。結局、音楽を続けるなら、こういうところがいいなあと思った次第で。それから、2016年より店長をやらせてもらっています。
スタッフ、お客さん、出演者の距離が近いアットホームな箱
ホールスタッフと店長、仕事の違いをどう感じていますか?
これといって大きく変わったことはないですが、業務量や考えなければならない事が増えました。諸々の業務責任だけが乗っかってきたという感じです(笑)。
バンド、スタッフ、さまざまな角度からMEETSと関わってきた、長谷部さんの若いバイタリティでがんばってください!それでは最後に、MEETSからメッセージをお願いします。
大塚MEETSは小さなライブハウスで、スタッフ、お客さん、出演者の距離が近いアットホームな箱です。ちょっと細かい話になりますが、最近、背伸びをするバンドが多いなと感じていまして、まだ経験が少ないところで、いきなり知名度の高いライブハウスで活動しようとして、上手くいかず空回りしてしまうバンドもちらほらいるようで…。
やはりバンドの成長に合わせた活動、ホームグラウンドは必要だと思います。
そうなんです。ですから、まずは、バンド活動の始まりが大塚にあるMEETSのような小さなライブハウスからでもいいんじゃないかな、と思います。音楽を始めたい、と思い立ったらなんでも相談しにきてください。スタッフ一同お待ちしています。
音楽活動のスタートダッシュを後押しする、大塚MEETSの今後に注目していきたいと思います。本日は東京都内大雪による極寒のなか、ありがとうございました。
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