ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

江布論美(えぷろんみ/仮名)さんの場合

つきまとうストーカーを撃退したYさんにフォーリン・ラブ!

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<登場人物>
♂:K金井市在住、パワードラマーYさん
♀:江布 論美 (えぷ ろんみ:仮名)さん
♀:Sさん (Yさんの彼女)
♂:店長 (Yさんの勤務先の上司)

 

<プロローグ>
緑あふれる東京の西はK金井市、この日も、彼女Sさんとお酒を飲んだYさんは自宅に向かう。アパートの前につくなり…、『キャーー!!』、突然、女性の悲鳴が! 悲鳴の出処はどうやら自宅アパートの二階から。見上げると、泣き叫ぶ二階の住人『江布 論美(えぷ ろんみ)』さんと髪を乱したサラリーマン風の男の姿が! まもなく叫び声とともに、その場を逃げ出し、階段を猛ダッシュで駆け降りてくる男。その行く先には泥酔したYさんカップルが…。

 

 

『その人ストーカーなんですー! 捕まえてー!』

 

さて、階段の下にはYさんカップルしかおりません。嫌な流れです。どう考えてもYさんがストーカーと対峙するしかない状況! 逃げる男は、捕まったら社会的な立場やら色々やばい状況ですから、鬼の形相で駆け降りてまいります。 「ここは一旦逃がして警察を…」と目論むYさんをよそに、泥酔の彼女Sさん大胆発言。

 

『Yくん、やっちゃいな!!』

 

えぇー! 何故、彼氏を窮地に追いやるー!?

 

それもそのはず、Yくんは当時、柔術の黒帯をとったばかりで、その嬉しさを彼女に誇らしげに自慢していたのです。小自慢による因果応報。

 

アタッシュケースで殴り掛かってくるストーカー。余裕のないYさん、アタッシュケースを払いのけ、大外刈りでなぎ倒す。

 

 

その後、Yさんが警察を呼び一件落着。

 

ひたすらに感謝を述べる江布さん。数日後にはYさんカップルを食事に招いておもてなし。これにて事件は終わったかのように思われた…。

 

 

事件から数週間が経ったある日のこと、画材屋で仕事中のYさん、店長から呼び出されます。

 

<店長>「Yく〜ん、キミに郵便物が届いてるよー。ピンクのデッカい封筒が…」

 

差出人を確認すると…「差出人=江布論美

 

あわてて封を開け、数枚の便箋にしたためられたその内容をみると…。

 

 

この前は本当にありがとう。Yくんがストーカーをやっつけてくれて、涙が出るほど感動した…。〜(中略)〜

 

正直言うとね、あの日以来、アナタのことが忘れられない…。〜(超中略)〜 だから…、Yくんと結婚したいの♡

 

 

ええぇー!? 求婚されてるぅー! なんで? 彼女いること知ってるよねー!? なんなんだ、この身勝手な妄想はー! 動揺するYさん、先を読み進めます。

 

 

アタシね、両親の仲が悪かったから、結婚なんて絶対にしないって決めてたの。でもね、Yくんとなら素敵な家庭を築けるって思ったんだ。 〜(超絶中略)〜

 

アタシ、料理大好きだから、結婚したら毎日Yくんに料理作ってあげる♡☠

 

 

うおぉぉー! 何を言ってるんだ、この女はー! なぜ話が勝手に結婚まで及び、なぜ勝手に良妻設定になってるんだよおぉー(泣)!? 脳を奮わす恐怖! そして最後の文章を読むと…

 

 

アタシのエプロン姿を同封しとくね♥☠

 

 

理解不能な締め言葉とともに…、江布さんのエッチなエプロン姿の写真が同封されているぅーー(震)!!   げぼおぉぅ(吐)! なんでー!? なんでお前がストーカーになってるんだよー!

 

ほどなくして、電話がかかってきます。

 

<店長>「Yくん、電話。江布さんって人から…。」

 

<Yさん>『いやああぁー! ロックオーン(泣)!』

 

お礼の食事会は、職場を聞き出すトラップだったようですね。しかも、同じアパートに江布さんがいるわけですから、逃げ場のないYさん、その日より彼女Sさんの家に逃げ込みます。

 

その間、何度か職場に連絡が来るも、居留守を使い続けた数週間後、意を決して家に帰ります。すると、なんと、江布さんは引っ越しておりました。バツが悪くなったのでしょうか? ほっとするYさん。「今思えば、彼女なりの表現だったのかもしれない…。しかも、よく見れば美人で豊満な…(以下略)」と、ストーカーホイホイ的もの思いにふけっていた矢先、家の電話が鳴る… 。

 

 

『もしもし、江布です…☠』

 

前言撤回!ストーカーに一切の情けはいりませーん!(ハローページ常設時代が憎い!)

 

はい、江布さんの話はここまで。まだまだ序の口。次回は、ストーカー、みんなでやれば怖くない! ポジティブ系ストーカー『間知伏子(まち・ふせこ)』さんの登場です。

 

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間知伏子さん登場

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ