ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

実録!ヘルニア手術入院

Round 3「激痛」〜低髄液圧症候群〜

【免責事項】このコンテンツは医療情報の提供を目的としたコンテンツではありません。記載の治療、医療情報などは、筆者個人の調査、記憶によるものに対する感想であり、医療的な正確性や正当性については保証、関与いたしませんのでご了承ください。

 

ヘルニア手術入院〜前回のコラム〜

 

30分ほど眠り、再び目を覚ます。

 

うっ…、首と背中の痛みが再発している(iДi)

 

しかも先ほどの比ではない! 断続的に肉離れを起こし続けているような痛みと、リンパ系統が今にも破裂してしまいそうな激しい痛みが同時に襲ってくる。さらには、容赦のない頭痛と吐き気!

 

脂汗が吹き出し、わずかに残る胃の内容物も込み上げてくる。しかし、嘔吐するための筋肉が発狂しそうなレベルで痛いので吐こうにも吐けない。生き地獄のような苦痛に大パニック。その場に拳銃があったら、カート・コバーンしていた可能性も…。

 

そんな状態の中、手術執刀医の先生から「明日の手術の段取りの説明をするので診察室まで来てください」と連絡がくる。この状態で診察室だって? 無理に決まってるだろ(iДi)

 

先生を病室に呼びつけてもいいのだが、わずかな思考力の中「ひょっとしたら立ち上がって歩いたらよくなるかもしれない…」という博打のような考えがよぎる。

 

いざ賭けに。立ち上がって足を踏み出す。しかし一歩踏み出すごとに容態はみるみると悪化。診察室に着くと同時に診察台に倒れ込む。

 

先生が口を開くより早く「無理! 手術、いま絶対に無理!」と自ら懇願。

 

その様相を見た先生は、落ち着いた口調で、

 

「低髄液圧症候群ですね」

 

と診断。なんのこっちゃさっぱりわからないので、とにかく早く説明を(表情のみで)お願いする。

 

先生「脊髄に造影剤を打つと、脊髄圧が下がるんです。その際に、脳髄液が漏れたり、脳の血管がズレたりしてアナタみたいな症状がでるケースがあるんですね。10人に1人くらいの割合かな…」

 

ワタクシ「うぇぇぇ…」

 

先生「これは治りますが、最低でも1〜2週間は安静にしてもらい、その後、低髄液圧症候群が良くなってからの手術にしましょう」

 

ワタクシ「うぇぇぇ…」

 

とまあ、若干恐ろしげな内容の説明をして下さり、ヘルニアの手術はひとまず延期になるのでした…。

 

とりあえず一安心、と言いたいけれど、今この瞬間が地獄なので、この場は激痛を取り去るのが最優先。痛み止めの筋肉注射と、同じく痛み止めの点滴をバンバカ打ち、半ば麻酔投与のように眠ります。

 

ここからは低髄液圧症候群が回復するのを待つのみ。でも、すぐ200m先に我が家があるのに、手術もせずに病院のベッドで寝ているだけなんて…。

 

ワタクシ「同じ苦しみなら、せめて家で寝させてください」と懇願。

 

先生「OK牧場!(←和ませようという先生の気遣い)痛み止めを出しときますので、身体が整ったらやりましょう!」と承諾。

 

極限レベルの苦痛により120%ホームシックになってしまったのでしょう…。勝手知ったる我が家に勝るものなしということです。

 

とは言っても、激痛を抱えるその時のワタクシにとっては、たかだが200m先の自宅までの道のりは、西遊記よろしく天竺への旅に匹敵するほどの苦難の旅。一歩進むだけでも相当につらいこの状況で、杉並区のペネロペ・クルスさん(同居人)の庇護のもと、車椅子とタクシーを乗り継ぎ我が家を目指すのであった。(←脳内ではゴダイゴの『ガンダーラ』が流れてました)。

 

この日より低髄液圧症候群の自宅療養に専念することとなり、無茶系ドラマーの試練はまだまだ続くのであった。

 

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Round 4「芋虫」

 

<<特別付録コーナー>>

 

杉並区のペネロペ・クルスさん(同居人)のハンドパワー。

 

前回から続く絶望的な事態に我を失ったワタクシは、ナイスバディーで名の知れた杉並区のペネロペ・クルスさん(同居人)に連絡。迅速に病院に来てもらい、おもっくそ甘える形で首に手を当ててもらう。すると、驚くほどの勢いで痛みが引いていったのです。

 

まさしく「手当て」というやつなのだろうか? でも、ワタクシは宗教的なアレとか絶対に認めませんよ!そうだ、これは俗にいうタッチセラピーというやつだ。

 

そして、これまた杉並のペネロペ・クルスさんのアイデアにより『湯たんぽ』を用意してもらう。その結果、かなりの改善ぶり!

 

先程の醜態ぶりが恥ずかしい限りです(結局痛みはすぐ再発ですが)…。

 

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Round 4「芋虫」

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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