「YoAsaiの音漏れ苦情報告書」〜 バンドマンに捧げる不定期コラム

激録バンドマン密着24時!! 〜オレたちに明日はないSP〜

練習しようぜ!

さて、長らく続いた『激録バンドマン密着24時!!』シリーズも最終回です(→最初から読む)。反感買いまくりの連続だったかもしれませんが、それでも、ワタクシはバンドマンに希望を抱いております。ラストはワタクシの持論「練習しようぜ!」で〆させていただきます。

 

普段のワタクシは、技術屋といわれるミュージシャンには否定的なことばかり言っているのに、「練習しようぜ!」とは一体…?

 

はいこれ、ざっくり言ってしまうと、自分専用技術(=必殺技)を身に付けろということです。

 

世の中には、ありとあらゆる技術や練習方法がありますが、教科書通りにすすめるとすれば、生まれつき器用な人や長時間の練習に耐えられる努力好きな人にはかなわない。勤勉な遺伝子と家庭環境がものを言うでしょう。

 

だが、バンドの音楽というのはそこではない。

 

バンドというのは、その時々の衝動に身を任せて「シンバルは親の仇のように叩きたい」とか、「ギターは歯で弾きたい」とか、「ベースはガニ股の低さで勝負したい」とか、「歌は一曲目で声枯らしたら勝ちだと思う」とか、そういう無駄な表現をするための場所。

 

音楽学校では「演奏ミスってまでやっちゃいけない」とか言われるかもしれないけれど、その「やっちゃいけない」をやるのがバンド!技術のあるミュージシャンだって、まったく感情の赴くままに演奏したらテンポも音程も揺れまくります。でも、音楽ってそれでいいんですよ。音楽はそこからが勝負。

 

 

ドラマーだったら、試しにシンバルを殴るようにたたいて…、いやもう、まんま殴ってみてください。脱力などという腑抜けた発想を捨て去り、「親の仇」だと思って、全力でひっぱたいてみてください。もれなく一回のショットで体力の20%持ってかれます。

 

 

そこまで無茶したい時ってあるじゃないですか? だからバンドやってるわけだし。

 

そこで、この「親の仇奏法」専用の練習というのが必要になってくるわけです。

まず強靭な肉体作り。パワーとスタミナの共存のために、中距離走者のような筋肉が必要です。パラディドルしてる暇があったら走りこもう! これら研究を重ねると、思いきり叩いても身体の中心がブレなければスタミナのロスが少ない、ということに気づきます。

 

そうすると、どう叩いても身体がブレない両足の均等なバランス感覚や、重心が安定する座り方の重要性に気がつく。これこそが技術なんです!

 

ここまできて、初めて単純なテクニックの練習にとりかかるのです。それはもうハードルの高い基礎練習となり、同時に、やればやるほど自分の音が完成されてゆくことでしょう。

 

音を出したいと思ったときの初期衝動、それを表現するための己の限界値(未熟さ)を知ることが練習の第一歩!

 

教科書通りの練習だけを繰り返していると、音楽や芸術に対する初期衝動がみるみると失われ、「セミプロ程度の技術で几帳面な演奏」という最もダサいバンドモデルに成り下がる可能性大。

 

ここだけの話だけど、几帳面で高度な技術をもった人たちの音楽ってね、高確率で、スーパーの精肉売り場のBGMそっくりになるんだよ(ガチ)!

 

ようするに、初期衝動を持ち続ける生活と、それに照準をあわせた基礎&バンド練習だけやってればいいのです。なんなら「初期衝動のためなら音楽をやめる!」ってくらいの覚悟があってもいいよね!?

 

 

以上の考察から、初期衝動を忘れてしまった時は飲みに行く! これがバンドマンのハイレベルな練習方法だ!と断言したところで『激録バンドマン密着24時!!』シリーズ完結の時となりました。みんな一生懸命飲んで…、じゃなくて練習しろよな!

 

〜おしまい〜

 

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企画&ライター:浅井陽(YoAsai) / イラスト:こむじむ

 

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