ライブやろうぜ!ライブハウス攻略ガイド

ライブハウス攻略ガイド 動画配信

ライブハウスだけじゃもったいない!イベント会場から世界へ向けて、ライブ動画配信・ライブ生中継を行うためのノウハウについて詳しく解説していきます。

ライブ動画配信のしくみ

ライブ配信という言葉をよく聞きますが、何?

ライブハウスやコンサートのステージで展開されているライブやイベントをビデオカメラで撮影して、リアルタイムでパソコンやスマートフォンなどで視聴できるようにする、つまりテレビ番組の生放送と同様のものをインターネットを通じて行う動作を指します。ライブ配信は下記のような流れで行われます。

1.ライブ・イベント
ライブハウスやイベントホールでライブやイベントを制作します。ライブ配信にあたって最重要コンテンツとなります。
2.動画撮影
ビデオカメラでイベントの様子を撮影します。ビデオカメラは携帯内蔵カメラからプロ仕様までと幅広く選択されます。
3.配信システム
ビデオカメラで撮影された映像を編集・圧縮してネットを通じてイベント会場から配信サーバーへ送信する装置へ送信。
4.配信サーバー
インターネットを通じてイベント会場から送信されてきたライブ映像を整理して視聴者の端末へインターネットで送信。
5.PC・スマートフォン
パソコンやスマートフォンからウェブページや専用のアプリでライブ動画を視聴。ツイッター等での実況や有料課金も。

ライブは生で見ることに意味があるのでは?

大正解です。ライブの醍醐味はテレビやiPodでは到底味わうことのできない、アーティスト・歌・演奏を味わい尽くすことにあり、テレビやインターネットを通すことでその魅力を大幅に失うことは否めません。ライブ配信はライブショーそのものの魅力を向上させるものではなく、ライブハウス・イベント・アーティスト活動にとって、ライブというイベントを通じて、演奏とは別の新しい価値を提供するアイテムとしてとらえる必要があるのです。

えっと、費用はどれくらいかかるのでしょうか?

この手の質問にありがちな回答になりますが、「ピン・キリ」となります。「とりあえず見れれば良い」画質でよければ、パソコン・カメラ、必要な備品およびインターネット回線があれば無料で開始する可能性もあり、また、複数のカメラアングルで別途マイクから収録し2chミックスした音声を動画と合わせて配信するなどの本格的な放送であれば、それなり(数十万)の費用がかかる場合があります。

しかし、必要な道具があれば無料で、またはとても安い費用でとりあえずはライブ配信を行うことができる環境がインターネット上に整いつつあることは大いに活用したいポイントです。

USTREAMで手っ取り早く

この情報は公開当時(2012年)のもので古くなっております。現在のライブ配信環境は進化しておりますので、ご参考までにご覧ください。 2020年7月 編集部

超かんたんに配信する方法

それでは、さっそくライブハウスからのライブ動画配信をカンタンに行うための方法を紹介します。いきなりですが、手っ取り早くライブ配信をスタートするには

というライブ動画配信サイトを利用します。今のところ、選択肢は一択です。(※その他にもライブ動画配信サイトはいくつかありますが、配信開始までの簡単さ、配信の機材の対応などから一番のオススメです)

USTREAM(ユーストリーム)では、USTREAMのウェブサイト上から、ライブ配信の仕組み図(3)配信システム以降の処理を全部行ってくれます。つまり、ライブ配信にあたってはカメラでステージを撮影し、なんらかの方法でUSTREAMにインターネットを通じでライブ動画を送信すればよいのです。

USTREAMのライブ配信で必要なもの

詳しい使い方はUSTREAMのサイトなどで紹介されているのでそちらを御覧ください。カメラやパソコンはすでに持っているものを利用できる可能性が高いですし、配信ソフトもUSTREAMから無償バージョンのものが提供されています。ただし、ライブ配信の画質や音質のクオリティは「ビデオカメラの性能・パソコンの性能・インターネット接続の速度」に比例して向上します。

注目のオススメアイテムの紹介

PC・配信ソフト不要でUSTREAMへ安定した配信ができる「Live Shell」という商品があります。(2012年4月現在のオススメアイテムです。)

LiveShell

Live Shellはビデオカメラとケーブル(HDMIまたはビデオ端子)で接続し、LANケーブルを接続するだけでUSTREAMのライブ配信を行うことが出来る製品です(定価¥26,800)別途音声ライン入力端末が利用できるので、音声はミキシングコンソールのステレオアウト端子から配信するということも可能です。

Live Shell

女子中学生も知ってる?無料でサクっと配信する方法

ustreamカメラもパソコンも使わずにUSTREAMでライブ放送を行う方法があります。それはスマートフォン(AndroidやiPhone)に動画配信アプリ(Ustreamブロードキャスター)をインストールして内臓のカメラからダイレクトに配信する、いわゆる「ダダ漏れ」放送です。さすがに、ライブ鑑賞としての配信としてはクオリティ的には厳しいのですが、ライブハウスの雰囲気を伝えると割り切ればとても面白い選択です。ただし、ライブハウスの場合は電話回線(3G)あるいやLTEの電波が弱い場合がほとんどなので、WiFi(無線LAN)の環境が理想的です。

ライブハウスからのUST配信のコツ

ライブハウスからのライブ動画配信には「音」に細心の注意を払って行きましょう。注意といっても「音質」ではなく「音量」に注意します。

とにかく音割れに注意!

ライブハウスからの中継には、他のライブ配信との違いに、圧倒的な音量の大きさがあります。基本的に一般のカメラは、音声や物音(たとえば小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど)を録音するために、高感度(小さな音でも収録できる)なマイクが搭載されていることがほとんどです。そこに、ドラムやベース、ギターアンプなどから非日常的な音量で楽器などがなりますので、殆どの場合が音が割れることになります。デジタル録音の場合、音が割れるととても耳障りな音になり、ライブ演奏の内容に関係なく多くの視聴者を失うことになります。

適切な音量で配信するコツ

上記の理由で、一体型のビデオカメラに搭載されているマイクから収録した音で放送をするのは音割れを起こす可能性が高いためおすすめできません。また、他の収録方法を検討するとしても、ライブハウスの音量は一般的な録音機器にとって措定外のボリュームであるためなんらかの工夫が必要になります。

マイク入力レベルに注意

録音レベルビデオカメラのみでも映像と音声の両方を収録・配信することが可能です。ただし、ライブハウスでの演奏配信に限って言えば、マイクへの入力レベルが調整可能なデジタルカメラに限ります(本体内蔵のマイクからの入力音量を調整できる機能です。(家庭用ハンディカムタイプカメラはマイク入力レベルの調整が手動では出来な機種も多いので注意して下さい。)マイク入力レベルは、最大音量(楽器・ボーカル・会場の音声が全部鳴っている瞬間最大音量)発生状態で-5dB(マイナス5デジベル)以下になっている必要があります。余裕をもって最大時が-20dB程度でも大丈夫です。

入力レベルが0dBを超えると、視聴者には耳障りで不快なデジタルノイズとなり、この世に存在する最も不愉快であるといっても過言ではないノイズが発生します。ヘッドホンで視聴している方の耳に深刻なダメージを与える可能性もあるので絶対に回避してください。

アナログミキサーを活用しよう

USTREAMなどのライブ放送での利用を用途とした、USBなどでパソコンで接続するアナログミキサーが多数発売されています。ライブ配信においてはこのアナログミキサーはぜひ用意しておきたい機材です。アナログミキサーにはマイクやPAなどからの音声を入力してパソコンに送ります。アナログミキサーを利用することで、デジタルビデオカメラのみで配信をするときに発生するデジタルノイズ発生のリスクを大幅に減少させることができます。

Mackie PROFX8 ALLEN&HEATH ZED-10FX

MACKIE / ProFX8

ALLEN&HEATH / ZED-10FX

ビデオカメラは三脚でしっかり固定

USTREAMでのライブ配信ではあまり凝ったビデオ演出などはかえって逆効果となる可能性がありますので、なるべく音声のクオリティーを維持し、ビデオカメラは客席後方からステージ全体を収めるよう固定したほうが得策です。

ライブ配信の視聴者を集める

ライブ配信視聴者の獲得方法について考える

ライブハウスからの生放送のみならず、あらゆるインターネットライブ放送や動画などがインターネット上に溢れかえっています。USTREAMなどのライブ動画配信サイトを利用してライブ配信を行っても、初見(はじめて訪れる)の視聴者がライブ配信を視聴してくれる事はあまり期待できません(それでも、まったく可能性がないわけではありません。) そこで、ライブへの集客の告知と同様に、インターネットライブ配信の告知もライブ開催前に同時並行で積極的に行っておく必要があります。

よほど熱心なファンでない限り、ライブ配信の時間にパソコンの前でスタンバイをしてもらうことは難しいでしょう。ライブ配信の放送予定は普通以上に忘れられやすいものです。そこで、ライブ配信開始の前日、当日、また開始の直前になんらかの方法で、ファンの見込みとなるユーザー、またはユーザーが目に付くところで積極的にライブ配信の日程を告知していく必要があります。

ツイッターの活用

ライブ配信の事前告知方法として欠かせないのは、アーティスト(またはバンド)としての公式ツイッターを開設しておき、あらかじめファン(および見込みファン)の方にフォローしておいてもらいます。(メールアドレスを登録しておいてもらっておいて、ライブ配信前に告知することも効果的です。)※

このツイッターによるファンによるフォローの獲得はUSTREAMの放送においてはとても重要な意味を持ちます。USTREAMのライブ配信中は、ツイッターアカウントを使ってリアルタイムにUSTREAM上にコメントを投稿することができ、多くのツイッターアカウントをもつUSTREAM視聴は、ツイッターアカウントを使ってUSTREAMの放送中につぶやきを投稿します。

このUSTREAM上でツイッターのアカウントをつぶやくと、投稿者のタイムラインにつぶやきとともに、視聴中のUSTREAMの番組のURLが同時にツイートされるのです。よって、一人のファンがUSTREAMから生放送中のライブについてツイートすると、そのファンのツイッターのフォロワーのタイムラインにUSTREAMで視聴中のURLが告知されることになります。ツイッターの特性上、おなじ趣味・興味または友人・知人がフォローしている可能性が高いため、ライブ放送を覗いてみてくれる可能性は理論上はとても高いと言えます。

このような観点から、USTREAMとTwitterの組み合わせによるライブ配信とリアルタイムなコメントのやりとりは、インターネットでのライブ配信での定番となっています。

ちょっと本格的に、高画質なライブ配信

USTREAMにより簡単なライブ配信はその手軽さとコストの安さが魅力ではありますがデメリットもあります。やはり、無料であるがゆえにUSTREAMでのライブ配信や配信クオリティ(音質画質等)についてはまったく保証されていません。なんらかの理由でライブ演奏中にまったく動画が配信されない、という事態が発生する可能性もあります。そこで、クオリティに差をつけるためにUSTREAMから一歩進んだライブ配信に方法を紹介します。

ライブ配信事業者を選ぶ

ライブハウスやコンサートホールでのイベントのライブ配信をサポートしくれる業者は多数あります。 サポートする守備範囲もさまざまな業態から選択できます。プロクオリティーでのライブ配信を目指すなら、撮影からエンコード、配信まではもちろん、ライブ配信を前提とした演出的な部分を技術的な側面から検証してサポートしてくれる場合もあります。また、映像や音源の作成を準備できる場合は、エンコード配信システムからをサポートするサービスや、また大人数への配信のためのネットワークトラフィックが用意できる事業者もありますので、都合に合わせて選択することができます。

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