ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

第五夜 お酒を正しく楽しむ方法

飲んだら飲まれろ!百薬の長 King of Drug

 

※前回までのコラム(第一夜第二夜第三夜第四夜

 

よく『人様に迷惑をかけるな』ってのがありますが、ワタクシこの言葉は曲者だと思ってます。この言葉、時によっては現場を窮屈な雰囲気にしてしまうこともあるんじゃないでしょうか?

 

迷惑の基準って人によって結構違うもの。厳密な境界線がない。不快な思いをさせるなって言っても、例えば、酒を飲んでゲロ吐いた人のことを、恥ずかしいだとか迷惑だとか感じる人もいれば、酔いつぶれるまで飲む姿に、自分に気を許してくれている、深く仲良くなれそうだなと感じる人もいます。

 

人付き合いの上手い人って、自分の優れた部分より駄目な面を見せられる人が多いと思うんですよね。負け上手ってのかな!? ところが良識やモラルが高すぎると、とにもかくにも自分を律して、下手すると他人も律する。正直そんな調子だと飲みの現場では息苦しいってことも少なくない。

 

楽しい事って、多かれ少なかれ周りに迷惑のかかる行為なんです。そもそも、生きてるだけで迷惑ってのはかかるものなのでしょう。インドなんかでは『迷惑は絶対かかるものだから、他人の迷惑も許しなさい』という素敵な発想もあるそうでして(まあ、これがインド人特有の遠慮の無さにもつながるわけですが…)、我々日本人も、チョットはそんな発想を持っていてもいいんじゃないかな?

 

日本人のモラルの高さは世界に誇れるものだと思いますが、同時にルールや基準がないと上手に楽しめないという側面も併せ持っています。ライブハウスなどでもそうですよね。「自分の好きなように自由に楽しんでくれっ」と言われてもなかなか難しい。周りを気にせず強引に楽しんじゃうスイッチがなかなか入らない。

 

多くの日本人にとって、開放的な現場で楽しむためにはいくつかのエスコートが必要なんだと思う。『こうやってノルんだよ、こうやって応援するんだよ、このアーティストが好きな事が楽しい事なんだよ…』というようなレールを敷いてもらいたがってるように思う。楽しむためのルールやシステムが出来上がってる状態でないと楽しめないといった国民性があるのかな?

 

ジャ○ーズしかり、アイドルしかり、伝統的なお祭りなんかも、そういったシステムが全部備わってるから馴染みやすいのかもしれないですね。(ってか、普段控えめなだけに、日本人のお祭りのテンションはやばい。)

 

もちろん、それは全然悪い事ではないけど、ジャ○ーズはコンサートチケットも高いしお祭りだって年中やってるわけじゃないから、日頃気軽に遊べるアイテムではない。だから、普段の飲み会やライブハウスなんかでも「お祭りレベル」に飲んで騒いで楽しめちゃえばいいんですよ。

 

それでも自分から率先するのは気が引ける、願わくば、誰かに楽しくなるような音頭をとってもらいたい。つまり誰かに非難されずに後悔もせずハメを外して美味しい思いをしたい! おそらくみんなこんな気持ちを持っていると思われます。(なにせワタクシがそういうタイプですから…)

 

だからこそ、率先して楽しむ人間やノリノリな酔っ払いが必要なんです。お酒の失敗の主役たち(前回までのコラムを見よ)は偉大なんです。

 

アナタの代わりにみっともない姿晒して現場を濃密にしてくれてるのさ!

 

人間のしょうもなさを見せてシンパシー感じれるようにしてくれてるのさ!

 

だから、ちょいとばかしノリノリすぎる人も重宝しましょう!  現場を盛り上げてくれるし、なにより、注意されたり都合悪いこと起きたら、全部そいつのせいにしちゃえばいいんですわ(笑)(ああ、また自分の飲み戦略がバレてしまった…)使い捨てとはまさにこのこと!

 

って、それは置いといて…、とにかく、周りを意識して行動を制限されちゃうより、なんなら、この瞬間だけでも強引に盛り上がっちゃえ!ってのも人生を楽しむコツの一つだと思うんです。んで怒られたら謝っとけばいい。これはライブハウスでの楽しみ方にも通ずるはず。

 

そのためにも「お酒は飲まれるもの!」と肝に銘じておきましょう。

 

(なんていったってアルコールは遅延性のヘロイン… おっと!)

 

おしまい。

 

 

 

ほんとにあった!お酒の話 バックナンバー

第一夜・そもそも酒ってなんなのさ(2015年1月6日公開)

第二夜・お酒の失敗〜 <列伝1>(2015年1月13日公開)

第三夜・お酒の失敗〜 <列伝2>(2015年1月20日公開

第四夜・お酒の失敗〜 <列伝3>(2015年1月27日公開)

第五夜・お酒を正しく楽しむ方法(2015年2月3日公開)

 

 

<あとがき>

 

さあ今回も何事もなく平穏に書き終えたはずですが…、みなさま如何だったでしょうか? 色々書きましたけど、やっぱり犯罪めいたことや攻撃的なお酒はやめた方がいいと思います。

 

かくいうワタクシも酒の失敗は数知れず。まずワタクシは酔っ払うとあたりかまわず口説いてします。全員が美人に見えちゃうんですよね。かつ、口説いたあげく、飲んでる最中でも勝手に帰ります。なんでだかわからんけど帰っちゃうの! 加齢による体力の減少なのか…、さっきまで口説いてはずなのに、ふと気が付くと家にいてプレイステーション「みんなのゴルフ」なんぞをやっていたことも多数。

 

それどころか、下手したら失禁してます。昨年は運よく一回も失禁しませんでしたが、一昨年なんて3回以上失禁しましたからね。そんなん、例え口説いたって上手くいくはずないですわ! ほんとに『百薬の長』とか言った大馬鹿野郎はどこのどいつだよ〜。あ…、でも、この言葉をよくよく解析すると、どこにも『身体に良いです』なんて意味は含まれてないですね。

 

英訳的には『King of Drug』みたいなもんだよね?

 

なんか納得…(大馬鹿どころか天才だったかも)

 

って、そうじゃない! とにもかくにもみなさん、酒は楽しんで飲みましょうね〜!

 

それではまた〜。

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ

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